生活保護扶養義務強化問題について障害者インターナショナル日本会議から声明が出されました

 組合員の方から障害者団体が今回の生活保護扶養義務強化問題について声明を出したことが紹介されました。以下に転載します。

【以下引用】
生活保護法扶養義務強化に反対する緊急アピール
http://www9.plala.or.jp/shogairen/newpage10.html#120604
DPI(障害者インターナショナル)は、障害種別をこえ障害者の権利の擁護と自立生活の確立をめざして活動している団体であり、国連・国際障害者年の1981 年に障害をもつ当事者の国際NGOとして結成されました。現在、130 カ国をこえる国々に支部を持ち、国連等の国際機関においては、障害者関連の諮問団体としての地位を得て活動しています。
DPI日本会議は、1986 年の結成以降、全国的に障害当事者が主体となって活動している団体(2012 年6 月現在88 団体)が加盟し、障害者の「完全参加と平等の実現」と「人権の確立」に向けて必要な諸活動を展開してきました。
この間、芸能人の母親の生活保護受給を週刊誌が報じたことを契機に,生活保護制度利用者全体の人権を脅かすマスコミ報道が行われています。
具体的には、民法における「強い扶養義務」(生活保持義務)と「弱い扶養義務」(生活扶助義務)の区別すらされないまま、生活保護法の趣旨までねじ曲げて扇情的な報道がなされ、貧困、餓死、孤独死や年間3万人を超えると言われる自殺者の問題などといった、社会の現状を伝えない一方的な報道姿勢は、人権侵害を助長するものにつながると言わざるをえません。
そして、こうした風潮を背景に、新たに「親族側に扶養が困難な理由を証明する義務を課す」といったことが、厚生労働省の動きとして伝えられています。現在、所得保障制度がきわめて不十分な中、生活保護制度は障害者の地域自立にとって重要な役割を果たしており、決して看過することはできません。こうした改悪が強行されれば、障害者の地域自立にとって大きな打撃となることは明白です。
かつて、障害者施設の費用徴収で家族の扶養が強められたとき、「障害者を大きな赤ん坊にするな!」と激しい抗議が障害者運動によって組織されました。現在でも入所施設・病院、家族から、地域での自立生活に移行しようとする際に、親をはじめとする家族の説得が大きな壁となる状況は依然として続いています。
「尊厳死法制化」の動きなど、優生思想が再び強められようとしている今、扶養義務の強化は、障害者の地域自立を後退させるばかりか、障害者・児殺しを誘発させることにつながりかねません。
昨年8 月にまとめられた障がい者制度改革推進会議・総合福祉部会の骨格提言では、「家族依存の状況」を「放置できない社会問題」としてとらえ、「家族依存からの脱却」を提起しています。扶養義務の強化は、骨格提言が目指すべき方向とも逆行するものとも言えます。
私たちDPI日本会議は、マスコミによる生活保護制度に関する扇情的な報道の中止を求めるとともに、政府や各自治体に対して、家族依存から脱却し、地域社会の中での自立を前進させる制度の確立を訴え、諸団体との連携を強めつつ活動を進めていく所存です。
2012 年6 月3 日
第28 回DPI日本会議全国集会in さいたま 参加者一同

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