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日本橋公園テント破壊の裁判への支援のお願い

今年の5月2日、大阪市浪速区の日本橋公園のテント4つが天王寺公園事務所によって破壊され、生活していた5人が着の身着のままで追い出されました。 この件について、年内に裁判を起こします。

日本橋公園テント破壊の裁判への支援・カンパのお願い

 2006年5月2日、野宿者ネットワークが夜回りをしている日本橋公園(大阪市浪速区)で、大阪市によるテントの破壊が行なわれました。

 2月末、日本橋公園に大阪市・公園事務所施設管理担当課長・阿部ら数人の公園事務所職員が現われ、「この公園もそろそろ出て行って欲しい」「3月末には公園から出て行ってもらわないと困る」などと一方的に通告してきました。その後も繰り返し同様の通告を強圧的に行ない、半強制的にテント撤去の「承諾書」を書かせました。(当事者たちは「公園を出ても行く場所はないから書きたくなかったが、寒い中、4〜5人に40分近く取り囲まれて「不法占拠だから出て行け」と強く言われ、書かないと許されない雰囲気だった」と言っています)。自立支援センターや生活保護についての説明は「ほとんどなし」でした。

 野宿者ネットワークとして、公園の当事者と繰り返し話し合い、「行政のやり方はひどすぎる。公園を出てもいくあてがない」という声を受けて、不当な追い出しを拒否するという姿勢で、できる限りの支援を行なおうとしてきました。

 「野宿者ネットワーク・釜ヶ崎医療連絡会議・釜ヶ崎キリスト教協友会・釜ヶ崎パトロールの会・釜ヶ崎反失業連絡会・長居公園仲間の会・西成公園よろず相談所」の連名で抗議文を出し、弁護士有志の連名によって「不当な排除を止めよ」という申し入れを大阪市ゆとりとみどりの振興局・天王寺動植物公園事務所に対して行ないました。4月20日には、野宿者ネットワーク、野宿当事者による「人権救済申し立て」を大阪弁護士会人権擁護委員会に対して行ない、さらに釜ヶ崎の労働センター、大阪市役所前で排除中止を求めるビラまきを行ないました。にもかかわらず、テントに居住している状態で行政は無理矢理に強制排除を行なってきました。公園で工事予定があるわけでもなく、単に「不法占拠だから公園から出て行け」という理由でした。

 壊されたテントは4。被害者は5人。本人の話によると、「テントの中にいると、いきなりテントが壊され始めた。襲撃かと思った。外を見ると、役人が「つぶす」と言ってきたので、「ちょっと待てや」と言ったが、行政は無視してテントを壊し続けた。着の身着のままでテントを出た。そのため、食料、コンロ、鍋、下着など、生活必需品をほぼすべて廃棄された」ということです。

 知らせを受けて現場に到着した野宿者ネットワークのメンバーが「テントの破壊を止めろ」「違法行為は止めろ」と抗議すると、阿部は「うるさい」「不法占拠物件を本人に承諾書をとった上で撤去するだけだ」「訴えるなら訴えてみろ。そんなことをすれば誣告罪(ぶこくざい)で訴える」と怒鳴り返しました。不在だったテントについて「本人がいないんだから帰ってくるまで待て。必要な物まで撤去するのか」と言いましたが、行政は本人不在のままテントを完全に破壊しました。撤去された生活物資は、そのあと直ちにすべて「ゴミ」としてすべて捨てられたことを確認しています。

 野宿者ネットワークと当事者とで取り出せるものを公園の中央に運びだし、釜ヶ崎キリスト教協友会、反失業連絡会、西成公園よろず相談所、NPO釜ヶ崎など多くの団体、個人から生活物資や車両の提供を受けて、非常事態での引っ越しを行ないました。その後、他の地域への引っ越しや生活保護受給などの手続きを続け、行方の分からない一人を除いて、いまも当事者との関係は続いています。

 なお、日本橋公園の野宿者と近隣住民との関係は非常に良く、近所のマンションの住人の犬を夜の間テントで預かったり、逆に住民がテントの人の犬を散歩させたりという交流が続いていました。公園の清掃も毎日行ない、近隣住民から「あんたたちがいると公園がきれいで助かる」「あんたたちがいるから公園に夜来ても安心だ」と言われていました。野宿しているために近隣住人に著しい迷惑をかけたという事実は全くありませんでした。

 天王寺動植物公園事務所によるこのテントの破壊に対し、損害賠償訴訟を起こします。この事件では、大阪市および天王寺動植物公園事務所の野宿者への姿勢が鮮明に現われました。野宿をしなくてすむ「対策」を示すことも、本人たちとの十分に話し合いも、本人の真の同意を得ることもなくただ公園からのテント撤去のみを急いだこと、公園を出て行っても他に行くことがないことを承知の上で強制撤去を行なったこと、現に人間が中に住んでいる状況でテントをたたき壊したこと、さらにテント、食器、衣類などの生活必需品を廃棄して生活そのものを不可能にしようとしたこと、それらは、近年の大阪市の野宿者への非人道的な姿勢を明確に表しています。一言で言えば、それは公園からの撤去のみを目的として、野宿者の存在そのものを否定する行為でした。

 テントを壊された当事者は、野宿に至った経緯を「仕事を(あいりん総合センターに)朝4時前に起きて探し回りましたが(…)皆目仕事にありつけることなく」「4、5日間水以外飲まず食わず」、「飯場にいても仕事が一週間に一日しかない(…)借金がかさんで、とても生活できない」と証言しています。ほとんどの野宿者がそうであるように、日本橋公園の人たちの多くも失業や病気といったアクシデントで野宿に追い込まれ、公園ではアルミ缶集めや粗大ゴミ集めといった月収数万円の仕事で働いていました。行政は、野宿という究極の貧困にある人々が唯一得た生活場所を奪い、路上に追いやりました。行政は、テントを破壊し排除するのではなく、野宿者が仕事と住居(生活保護水準以上の)を得ることのできる支援策を率先して行なうべきでした。

 日本において、生活保護水準以下の収入しか得られない、貧困層にある人々が増えつつあります。今回行政が行なった行動は、貧困者に対する住居権と生存権の破壊と言えます。このような暴挙は許されるものではなく、決して繰り返されてはなりません。  裁判では、テントを破壊された当事者が、原告として裁判を起こし、そして証人として参加します。わたしたち野宿者ネットワークも、最後まで支援を行ないます。  大阪市および天王寺動植物公園事務所の姿勢を糾し、野宿者の人間としての生存と生活を守るため、野宿者問題に心を寄せる多くの方々にこの裁判への支援を呼びかけます。

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支援カンパの振込先
▼「日本橋公園裁判を支える会 生田武志」
りそな銀行 萩ノ茶屋支店(店番号116) 普通0069744
▼郵便振替の場合、
日本橋公園裁判支援と明記して
野宿者ネットワーク 00980_2_31248 へお願いします。