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稲垣浩・勾留理由開示公判意見陳述書

2006年10月5日

勾留理由開示公判意見陳述書

稲垣 浩

 私はどんなに弾圧を受けても、今後も釜ヶ崎の日雇労働者に働く権利と生きる権利を獲得するため団結して共に立ち上がろうと叫び続けます。

 さて、今回の事件とされている現場には、南北約700メートルの歩道上南側に野宿生活者が生活しているテント小屋があります。大阪市は2ヶ月に1度、掃除や消毒を名目にテントの立ち退きやテント潰しに来ます。
 私たちは「野宿生活者の人権を守ろう」「テントの強制撤去反対」等の要求を掲げて、大阪市がテントを潰さないよう抗議してきました。ところが大阪市の職員はビデオカメラ片手に現れるのです。掃除現場を記録するためだと説明していましたが、大阪市の職員がビデオカメラを持って、掃除現場を撮影するなんて今までに見たことがありません。
 では、何の目的で。それは私たちの動きや声を記録するためだと思われます。
 今回のような弾圧の手段として使うためです。2月下旬の清掃のとき、私は足をケガして入院していましたが現場に行きました。掃除、消毒はいつも南の端から開始されます。私は北の端に折りたたみ椅子を置き、椅子に座って掃除が終わるのを待っていました。そのとき、いつもビデオカメラを持っている人がこの日に限ってカメラを持っていないので、私は「今日はカメラ無しか」と言いました。すると、その職員は黙って下を向いて通り過ぎていきました。後で私たちの仲間に聞くと、「初めはカメラを持ってきていましたが、すぐ車にカメラを置きに行きましたよ。だから今日はビデオを撮っていませんでしたよ」と言いました。それを聞いて「掃除の作業をしているところの記録を撮っている」と説明した市職員の説明はウソであることが分かりました。
 これまで私は、大阪市の職員が汐見橋の掃除の現場でビデオカメラで撮影を始めると、「私人を写すのは肖像権の侵害になるから私たちを写すな」と抗議してきました。するとビデオカメラを持つ手を下に降ろすなどしました。また、カメラ(デジカメ)をこちらに向けて写そうとしている市職員を見かけると「肖像権の侵害になるから写すな」と抗議してきました。するとカメラをポケットにしまうなどしました。
 ところが、今年4月27日の事件とされている日は、今までのように「写すな」と抗議、忠告してもビデオ撮影を止めようとはしなかったため、肖像権の侵害を止めるまで抗議を続けただけのことです。
 すべての責任は大阪市側にあり、私たちを加害者にして訴えるなんぞは、本末転倒です。警察、検事は恥を知れと言いたいです。
 最後に、私は逃亡しません。また、市職員が撮ったビデオがあるのにどうして私に罪証隠滅ができるのですか。なお、裁判官は勾留尋問の際、私の話を聞こうとする姿勢が希薄でした。私の住所は「西成区萩之茶屋2−5−23」と言ったのに、逮捕礼状記載の住所(実家)を書きましたね。私に黙秘権があることを告げず、「警察官に話をして下さい」と言いました。私は耳を疑いました。警察官の取調べに応じるよう促したのは、この裁判官が初めてです。あなたも恥を知りなさい。なぜですか。
 教えて下さい。

反弾圧9・27救援会による抗議アピール文

私たちは大阪市の野宿者強制排除
ごり押しのための5人の仲間への
不当な逮捕に抗議します!

反弾圧9・27救援会
2006年10月15日

 9月27日午前6時ごろ、私たちの仲間が4名、大阪府警により令状逮捕され、さらに午後9時ごろ、1名が逮捕されました。
 逮捕されたのは、釜ヶ崎地域合同労組の稲垣さん、西成公園に住む2人、西成公園よろず相談所の仲間、釜ヶ崎パトロールの会の仲間1人です。
 大阪府警の逮捕状によれば、容疑は2件の「威力業務妨害」と「暴力行為等処罰に関する法律違反」などとなっています。

 私たちは即日、野宿者運動団体、支援団体、共闘してきた労働組合などで集まって話し合い、「反弾圧9・27救援会」を立ち上げました。
 私たち救援会では、今回の弾圧を「西成公園などでの強制排除を織り込んだ、計画的な運動つぶし」とみています。
 私たちは、人間としての尊厳を守り「生き抜く」ための闘いとして、貧困と排除と抗して闘ってきた野宿の仲間たちと、これからも一緒に闘い続けるという決意を強くしています。そして、あからさまな運動つぶしによってその非人間性をさらけだした大阪市・大阪府警をけっして許さず、5名の仲間の奪還と運動の前進を勝ち取りたいと思います。
 救援会では、大阪市はこの冬にも強制排除を再び強行してくる可能性があると見ています。そのための事前弾圧として5名を逮捕したのだと考えています。
 西成公園だけのことではなく、来年IAAF世界陸上が開催されるうえ、08年には「指定管理者制度」が導入される長居公園、08年に日本で開催されるG8サミットの開催候補地になっている大阪城公園、総合的な観光化をすすめようとしている中之島一帯でも、強制排除の可能性があると考えています。
 大阪市はいま、「行政改革」の名のもとに「経済再生」を推し進めています。野宿者とブルーシートのテント、それを支える運動を「経済再生」のための「阻害要因」とみなして徹底的に排除しようとする、大阪市の強い決意を感じます。
富める者のための「改革」や「経済」のために、野宿労働者をはじめ貧しい者たちが排除される社会状況に、強く抗議します。
 私たちは逮捕された仲間を支え続け、貧困と排除とどこまでも闘い続けます。日本だけではなく、世界各地で戦争や貧困・抑圧・排除とたたかう人々と心は一緒です。弾圧に対する抗議アピールへの、多くの皆さんの賛同とカンパを訴えます。

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[事実経過]
▼正当な抗議行動が、どうして「業務妨害」で「暴行」になるの?!
 稲垣さんと西成公園の野宿労働者Tさんが逮捕されたのは、4月27日(木)に大阪市の清掃作業をビデオカメラで記録していた職員に暴行した、という「容疑」です。定期的に大阪市建設局は、清掃・消毒に入る汐見橋(大阪市浪速区)周辺で野宿生活する仲間の小屋で、清掃作業の際に不当な嫌がらせがないように監視する行動に継続的に取り組んでいます。4月27日(木)の同作業の際、市職員(大阪市建設局)が当人の許可無くビデオ撮影しているのを稲垣さんが抗議したことをもって、「威力業務妨害」と「暴行」としているものです。報道されたような手首をつかんだとか胸を小突いた、という報道は大阪市・警察の説明をそのまま鵜呑みにしたものです。
 「ほら、野宿者支援する連中なんて、こんな乱暴なヤツらだ」と悪いイメージを振りまく目的を持ったでっち上げです。監視行動に来ていた人の「肖像権」を犯してまで野宿者支援の運動を憎み、潰したくてたまらない大阪市・大阪府警の本音が見えたといえるでしょう。
 また稲垣さんは数年来、西成暑の警察官による釜ヶ崎労働者への暴行を糾弾する取り組みを続けていました。また、最近では「あいりん職安」を糾弾する取り組みに活発に取り組み、さらに汐見橋の現場では、市職員が仲間の小屋に「撤去告知ビラ」をべたべた貼り付ける行為を大阪弁護士会に人権救済の申し立てをして、弁護士会から市に対する「勧告」を引き出しました。今回の稲垣さんへの逮捕は、そうした一連の闘争への報復的弾圧といえるでしょう。

 もう1件の被疑事実は、6月12日、西成公園でのテント・小屋への排除を巡る攻防のなかでのことです。
 西成公園では、大阪市によって近所の公園から強制的に排除された仲間を受け入れて、新規に小屋を建てています。
 排除の際、大阪市は代替居住地も示さず、将来展望の見えず、劣悪な環境の自立支援センターへの入所を勧めるだけでした。住処を失った仲間に、西成公園の労働者が「じゃあうちにおいでよ」と声をかけたのでした。このように西成公園では、排除に抵抗して生き抜くため、仲間の暮らしを仲間で支えようと、新たな仲間を迎え入れてきました。

▼不当弾圧許さず、私たちが生き抜くためのたたかいを!
 ですが大阪市は、ここでも「新規建設は許さない」と圧力をかけてきました。
この日も「撤去勧告」に来ていた公園事務所職員(大阪市ゆとりとみどり振興局)に対する抗議行動を行っていました。この時に、職員に暴行したというのです。しかし、大阪市への毅然とした抗議はおこないつつも、「非暴力」でたたかうことで意思統一していたのです。
 暴力というのは、大阪市や大阪府警のように、野宿する仲間と誠実に話し合いすることもなく、お金(私たちの税金!)や権力(弱い者いじめする「業務」などあってはなりなりません)を背景に、一方的に懸命に毎日を生き抜く野宿生活者の仲間たちとその支援者を排除し、潰そうとする大阪市・大阪府警にこそふさわしい言葉です。
 今回逮捕された5人は、ここ数年来の反排除の取り組みに参加してきた仲間です。昨年夏、西成公園に強制排除の危機が迫ったときも、うつぼ・大阪城公園の行政代執行の時も、私たちは一緒に闘いました。
 米国主導のグローバリズムが世界をおおい、戦争や貧困が私たちに襲いかかろうとしています。そして日本でも、福祉の切り捨てや格差社会が拡大再生産されています。私たちの生存そのものが危うい時代です。野宿生活者への排除の問題はこうした問題の延長線上にあります。
 それぞれの地域・職場・学園などで奮闘しておられる皆さん!今回の私たちへ「反弾圧」「反排除」への闘いへのご支援・ご注目を心より訴えます。それぞれ持ち場は違っても、心をともに、たたかいましょう!

▼《皆さんへのお願い》

  1. この抗議アピールへの賛同を募ります(団体は3000円の賛同金をお願いします。連絡先は下記を参照下さい)。
  2. 弁護士費用など、何かと必要になります。たいへん恐縮ですが、みなさまのご支援におすがりするほかない状況です。カンパへのご協力をどうかよろしくお願いします(振込先は、下記を参照下さい)。
  3. このアピールを多くの人に広めてください。
  4. 以下の連絡先に抗議の電話・FAXをお願いします。
    大阪市経営企画室              電話・06-6208-9720
    大阪市ゆとりとみどり振興局 総務部 庶務課 電話・06-6615-0614 FAX06-6615-0659
    大阪市建設局 管理部 路政課        電話・06-6615-6675
    大阪市市民局 市民部 広聴相談課      電話・06-6208-7333 FAX:06-6206-9999
    大阪府警察本部(本部長 近石康宏)     電話・06(6943)1234(代表)
    西成警察署(署長 徳永 幸雄)       電話・06-6648-1234
    平野警察署(署長 原本 哲昭)       電話・06-6794-1234
    大淀警察署(署長 撚 偉光)       電話・06-6376-1234

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2006年10月15日
反弾圧9・27救援会
連絡先:大阪市西成区太子2─1─2 NPO法人釜ヶ崎医療連絡会議内
TEL/FAX 06-6647-8278
カンパ振込先
郵便振替口座 00940−5−79726(加入者名:釜ヶ崎医療連絡会議)
通信欄に「9・27弾圧救援」と明記してください。
E-Mail:iryouren○air.ocn.ne.jp
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