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「ホームレス」に対する連続襲撃事件に関連した要望書(要約版)

岡崎市長様、 岡崎市教育委員会教育長様

「ホームレス」に対する連続襲撃事件に関連した要望書(要約版)

                      2007年2月8日

                      岡崎市民有志、笹島連絡会

 

1.今回の連続襲撃事件と再発防止などについて

今回の8件の連続襲撃事件(1人死亡)に関して、12月に28才の男性と中学2年生男子生徒3人が逮捕されました(今年1月24日には別の中学2年生男子生徒が逮捕されました)。「ホームレス」への襲撃は各地で起こっており、少年たちは、「こじき狩り」、「浮浪者狩り」「ホームレス狩り」、「ホームレスは社会の役に立たない存在」「町をきれいにするためにやった」「無抵抗で一方的に殴れる」「世直し」などと称しています。

(1)基本的な認識について

少年たちが「ホームレス」を襲撃する重要な要因として、「ホームレス」に対する偏見や蔑視、排除しても構わないという意識があり、(大人)社会の意識・価値観の反映といえます。こうしたことを踏まえて「ホームレス」への襲撃再発防止の取組を行ってください。

(2)「岡崎市ホームレス問題連絡調整会議」の目的・課題などについて

「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」にもあるように、行政がなすべきことは生活保護も含む「ホームレス」の自立支援が中心です。そのことを「調整会議」の目的に掲げず、市民の苦情等の調整や公共施設の管理をしている行政のホームレスに対する対策が課題であるとしているのは、「ホームレス」の人権軽視であり、市民の偏見を助長するものです。

「調整会議」の中心的目的・課題が、市民の苦情等の調整や公共施設の管理をしている行政のホームレスに対する対策ではなく、「ホームレス」の支援であることを確認し、設置要綱にその旨を明確に入れてください。

 学校教育も極めて重要ですから、メンバーに教育関係者を入れ、また会議を公開にし、市民参加を認めて幅広く意見を集約してください。

(3)再発防止に向けての岡崎市の取り組みについて

 〇堋晃解では、社会にある「ホームレス」に対する偏見・蔑視を改める努力をしてこなかった責任には何もふれていませんが、その責任を自覚し、社会にある「ホームレス」に対する偏見・蔑視(市民・行政)を改める施策を打ち出してください。

◆ 屮曄璽爛譽后廚暴鰻發悗侶找を呼びかけるだけでなく、パンフレットで「ホームレス」を排除はしないこと、人権擁護の立場から行動すること、生活保護による居宅保護などの施策を示して今後の生活のことを一緒に考えたいことを明らかにし、「ホームレス」に呼びかけてください。

 市民に、愛知県作成の「愛知県のホームレス−その生活と訴え」を配り、「ホームレス」を排除しないで「ホームレス」とその生活を守るように、呼びかけてください。

  ㈬ 花岡美代子さんは、襲撃により亡くなったのです。少年や若者たちによる「ホームレス」襲撃の再発防止策として、少年や若者に働きかける施策を打ち出してください。

(4)今回の岡崎市の学校の対応について

岡崎市教育委員会の指示に基づいて、市内の中学校では全校集会を開き、「いのちの大切さ」などを指導しましたが、抽象的な「いのちの大切さ」を何度繰り返しても、「ホームレス」に対する偏見・蔑視について問い直すことにはなりません。人権一般や抽象的ないのちの問題ではなく、「ホームレス」に対する偏見・差別をただすことを目標にして、学校で取り組んでください。

横浜市では教育委員会職員や校長などが「ホームレス」を何度も訪問し、その後襲撃がなくなったと報道されています。こうしたことも参考にして、教育関係者や行政職員も「ホームレス」の現実を知ることに努めてください。

2.岡崎市による巡回パトロールについて

岡崎市は巡回パトロールをし、名前・生年月日・本籍など確認し、困っていることがあれば来庁して相談にくるようにという指導を行っていますが、重要なのは、調査でなく、援助です。今後は、「巡回相談」による「ホームレス」支援施策と位置付けて、その場で生活保護制度や老人ホームなどの具体的な施策を説明し、困っていることを尋ね、それぞれの希望にそって、なにができるかを話しあい、具体的な施策につないでください。「ホームレス」が夜に集まっている場所があるのですから、たまには夜にも巡回相談を実施してください。

3.市役所での援助や生活保護の実施について

生活保護法は、すべての国民は、この法律に定める要件を満たす限り、この法律による無差別平等に受けることができる(第2条)と規定し、性別、社会的身分などはもとより、生活困窮に陥った原因の如何はいっさい問わず、もっぱら生活に困窮しているかどうかという経済状態だけに着目して保護を行うと説明され、「能力の活用」(法第4条)については、「働く意思と能力があり、求職活動を行っていても現実に働く職場がないときには、保護を受けることができます」(「保護のてびき」)としています。

また、住居がない人でも保護は受けられ、「生活扶助は被保護者の居宅において行う」としており、居宅保護が原則です(法第30条)。岡崎市の回答でも、「居宅生活が可能な場合、居宅保護をおこなっている」としています。

法的には年令制限はありませんし、回答でも「当市は、年令に関係なく、生活困窮し、生活保護の要件に該当すれば保護を適用しています」としています。

(1)「ホームレス」に対する相談窓口の改善について

岡崎市は、基本的には市役所での相談による(対象を限定した)宿所提供施設への入所と救急搬送による入院に限って、生活保護を適用しています。 

これでは、施設入所が苦手な人や通院したい人は、生活に困っていても相談に行くことはできません(現に、市役所で相談しても通院できないということで救急搬送を頼りにしている現状を私たちは確認しています)。したがって、市役所での生活保護の相談が極めて少なくなるのです。

 このような極めて制限した、違法ともいえる生活保護の運用をやめ、市役所で何でも相談できるようにしてください。

(2)生活保護の制限的な適用の改善について

 〇毀鮟蠅任料蠱娘圓留膰遒任蓮∨ヽ葦膰遒砲茲詢紅顱500円)支給の割合が非常に大きいのですが、それは生活保護法では現在地保護を定めているのに、その適用を制限的に行っているからです。「ホームレス」の多くは、生活に困り、かつ行くところもない人です。「ホームレス」を他都市に移送するのではなく、現在地における生活保護適用を行ってください。

◆\験菠欷遒蓮∪験茲忘さ腓靴真佑謀用するもので、「その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障する」(第1条)ものです。「ホームレス」はまず住居や生活費に困っているのですから、敷金支給による居宅保護(例外的に施設入所)を、入院が必要な場合も保護を適用して医療扶助の適用と日用品費の支給を、通院の場合も医療扶助の適用と生活場所の確保を行ってください。

 回答は、「自立可能で集団生活ができる人には、愛恵協会の宿所提供施設に入所、生活保護を適用し、自立支援を図っている」としています。

生活保護法は、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的にするのであり、「自立可能な人」に保護を適用するという岡崎市の解釈は法律の趣旨と逆転しており、また行政が一方的に「自立可能」とか「不可能」と判断する判断するのは誤っていると思われます。保護を要する人には生活保護法以上の条件をつけずに保護を適用してください。

ぁ^貳姪にいって、施設での集団生活が苦手な人も多くいますし、そもそも法では居宅保護が原則です。

「まず施設入所」というやり方を改め、居宅保護が可能でそれを希望する人には施設入所を経ることなく居宅保護にしてください。

(3)退院・退所後の保護継続などについて

   生活保護法では、生活保護で入院・入所している場合、生活ができるだけの収入が得られるまでは退院・退所後も保護を継続する必要があります。

 05年度に入院した10人は、宿所提供施設愛恵園に2人、人材派遣会社に就職が2人、野宿となった人が6人です。

退院後の保護継続について回答では、「退院後相談があり、生活保護上問題がなければ保護適用。無断でいなくなった場合は不適用」としていますが、非常に問題です。

今後岡崎市は、実施機関として病院から退院の時期が近づいたという連絡が入った時点で被保護者を訪問して状況を確認し、アパート入居や宿所提供施設入所、老人ホームへ入所などの選択肢を示し、退院後の保護継続のことを打ちあわせ、保護の継続を実施してください。

◆―表蠶鷆〇楡濛狃蠍紊諒欷邨兮海砲弔い堂鹽では、「73才の高令者がアパートでの生活保護。その他は、就職しアパート・借家・人材派遣の寮に居住し、自立している」としています。

退所後は基本的には居宅保護による保護継続や老人ホーム入所などにより健康で文化的な最低限度の生活保障をするようにしてください。

就職の場合も転宅資金を出し、生活ができるだけの収入が安定して得られるまでは保護を継続してください。

 職員によると、生活保護施設の退所後のことは施設に任せているとのことですが、これは誤っています。生活保護を開始した実施機関は、被保護者の生活状態を把握し、保護の変更が必要と認められる場合は保護の変更を決定せねばなりません。きちんと保護施設を訪問し、被保護者に退所後の選択肢を示し、地域での居宅生活に移行できるようにしてください。

ぁ_鹽によると、宿所提供施設にいる人28人の在所期間は、7年〜18年11人、2〜5年が9人、1年未満8人と、非常に長くなっており、アパートなどへ入るまでの中間施設としての役割を果たしているとはいえません。 

宿所提供施設の目的・性格を踏まえて、転宅までの期間が長くならないようにしてください。                                      

                                      以上。 

    岡崎市民有志

笹島連絡会(この件での連絡先)

名古屋市中村区則武2-8-13-3F (電話/Fax:052-451-4585)