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ホームレス生活って、意外と楽なんでしょ?

いいえ、意外にも(?)けして楽ではありません。

『昼寝しているホームレスをよく見かける』

→日夜逆転の労働状況
野宿者の主な仕事はアルミ缶集めや、ダンボール集め、家電回収などです。これらはたいてい夜中から早朝にかけて行われるため、日中は仕事明けの睡眠時間にあたる場合が多いのです。夜勤の人が昼間の時間に家で眠るのと同じです。仕事をしていないわけではありません。

『会社勤めに伴う気苦労がなく自由自適な生活だからやめられないんだろう』

→「住所不定」者の就職困難
就職したくないから野宿をする、という人はいません。建築業界の日雇い仕事は不景気の昨今50歳を過ぎたら殆ど雇ってもらえませんが、人生は50では終わりません。体はまだまだ元気で働くことができるのに、職がなく家賃が支払えなくなり住所不定になると、さらに職にありつけなくなるという悪循環です。また最近の傾向としては、日雇い仕事の激減だけでなく、リストラにあい蓄えが尽きて野宿せざるを得なくなったという人も多くなってきました。会社勤めに嫌気がさしたから野宿をするようになるのではありません。失業の結果として野宿に至るのです。 もちろん自由自適な生活を望み率先して野宿をする人もいるかもしれませんが「野宿者とはそういう人たちだ」と見なす風潮は、大半の野宿者にはあてはまらず実情とは異なっているといえるでしょう。 

『家賃や税金を払う必要がない』

→[襲撃]の危惧と基本的な行政サービスからの排除
「家賃や税金を払う必要がないから明日から野宿してもいいですよ」と進められた時、いったいどれだけの人が野宿を実行するでしょうか? 繰り返しになりますが、失業し税金はもちろん家賃の支払いも難しくなるからこそ野宿になるのです。節約のためではありません。

家を持たないということは裏返せば、常に公の場に私生活がさらされる状態ともいえます。そのため、大切なものや現金の保管に困ったり、絶え間なく襲撃の不安を持ちながら眠らなければいけないため熟睡できません。こういった精神的ダメージは相当なものです。また、市民税や所得税など支払えないほど困窮しているにも関わらず、住所がないことを理由にさまざまな基本的な権利が奪われています。選挙権がなかったり、今までずっと支払ってきた年金の受け取りすら出来なかったりもします。

これらはよく耳にする意見の中の思いつく一例です。 どうやら「ホームレスは自由が欲しくて好きで野宿をしている(のだから何があっても自業自得だ)」という視点が定着しているようです。しかしこれまで述べてきたように、失業というアクシデントに見舞われ再就職が果たせず野宿になるというケースの方がよほど多く、一度住所を失うと更に雇用の機会は失われ、結果、リサイクル業で日々の糧をまかなうようになるというのが一般的です。働く意欲や努力が足りないから、楽がしたいからという理由ではありません。