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住民票が奪われると具体的にどう困るか

日雇いをしている人や野宿をしている人の住民票が奪われるとどういう困難に直結するのか 思いつく限り挙げました。
新聞では、ことさら選挙権が問題視されます(選挙権だってもちろん大事な権利ですが) しかし、住民票=選挙権ではありません。住民票を残さないと、すぐにでも困る!という場面は本当にたくさんあります。逆に言えば、市民権一般や、自分を証明するものとして、こんなにも住民票(あるいは住所)が鍵になっているんだと、思い知らされしまいます。

◇仕事面

・運転免許の更新ができない
  車の免許が更新できなければ、トラック運転手やタクシー運転手はもちろん仕事になりません。また、牽引やクレーンなど各種免許も更新できないため仕事に大きく支障をきたします

・白手帳が再交付できない
  手帳を作るときに、住民票の提出が義務付けられたため、新規登録や再交付ができなくなります。すると基準以上の日雇い労働をこなしても失業手当を受け取ることができなくなります。

・特別清掃事業(高齢者特別清掃事業)の登録ができない
  高齢者の仕事の保障を目指したこの制度は55歳以上が登録対象で毎年度ごとに応募するしくみ。住民票控えの提出が義務付けられているため、こういう最低限の仕事にもありつけなくなります。

・就職活動時、住所欄が記入できない
  住所不定のままの就職活動は、残念ながら採用の判断に影響があります。警備員の応募など、わずかながらあった職業にも格段と就きにくくなります。

◇生活面

・年金の給付が受け取れない
  年金受給を受けながら野宿でしのいでいる高齢者はたくさんいます。

・銀行の口座が持てない
  現金を常に持ち歩かないといけないため、盗難にあったときは全財産を奪われやすくなります。

・自転車の防犯登録ができない
  それでなくても野宿者は(自転車窃盗の疑いをかけられやすいせいか)警察の職務質問を受けやすいので、自分の自転車であることが証明できないと、自転車を没収されてしまうケースもあります。それがたとえ一時的な没収に留まるとしても、自転車でのアルミ缶回収を仕事にしている人にとっては致命的です。