はじめに読みもの実用調べもの・学習《ピックアップ》メディア連絡先More ... | 強制排除強制撤去とその事例強制撤去は通常、行政代執行法に基づく。その法的根拠は道路法や都市公園法であり、野宿生活者のテントや小屋を強権的に除去することを目的として執り行われる。具体的な事例としては、以下が挙げられる。 ・名古屋若宮大通公園(1998/9/7) ・大阪西成今宮中学校脇道路(1998/12/28) ・名古屋白川公園(2005/1/24) ・大阪城・靭公園(2006/1/30) また、このほかにも関連する強制撤去として、2003年天王寺公園において執り行われた青空カラオケに対する行政代執行がある。 強制撤去の背景これらの事例のうち、たとえば大阪西成今宮中学校脇道路における強制撤去は、地域住民と野宿者が限られた空間資源をめぐって対立した結果として解釈することができる。しかしながら、近年の事例(名古屋白川公園、大阪城・靭公園)は、その背景が異なることに注意したい。名古屋白川公園における強制撤去は愛知万博開催を背景とするものであり、大阪城・靭公園における強制撤去はそれぞれ、全国都市緑化フェア、世界バラ会議の開催を背景とするものである。つまり、近年の強制撤去は国内的・国際的なイベントの開催のために野宿生活者が排除される、という構図をとっている。 この意味では、行政代執行こそ行われなかったものの、天王寺博覧会開催を契機として1990年に有料化され柵で囲まれた天王寺公園の事例は、この排除の構図の先駆けであり、典型であるといえるだろう。 さまざまな強制撤去行政代執行を盾にした強制撤去は、きわめて大規模な人員を動員して執り行われるものであり、それゆえマスメディアにおいても大々的に報じられる。だが、それだけが強制撤去なのではない。野宿者に対する強制撤去は、個別のテントや小屋に対する圧力というかたちで、日常的に行われている。この意味で、行政代執行によって執り行われる強制撤去は、氷山の一角を示しているにすぎない。 事例⇒日本橋公園テント破壊の裁判への支援のお願い参照 |