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自立支援センターって、なに?

自立支援センターとは、野宿生活者の就労による自立を支援するための施設です。大阪市内には「自立支援センターおおよど」「自立支援センター西成」「自立支援センターよどがわ」「自立支援センター舞洲1」「自立支援センター舞洲2」の5つがあります。

自立支援センターおおよどのWebサイトのトップページでは、施設について以下のように紹介されています。これを読むと、自立支援センターの役割・機能、自立センターが考える「就労自立」の意味が分かります。

「自立支援センターおおよど」は、さまざまな背景から野宿を強いられた人々に当面の住居や食事など、
就職活動に必要な資源を提供します。入所された方は自立支援センターを拠点に就職活動を展開し、
アパートを借りる自立資金を貯めます。
 就職をしてアパートを借り退所することを当センターでは「就労自立(アパート自立)」と呼んでいます。

http://www.ooyodo.jp/ より引用)

自立支援センターの運営は大阪市の委託事業という形で行なわれています。2006年3月の「大阪市政だより」では以下のように説明されています。

●自立支援センターの運営
 就労による自立を支援するため、宿所と食事を提供し、生活相談・法律相談等を行うとともに、
技能講習や職業相談・紹介等を実施しています。現在、5カ所(定員490人)を運営し、うち1カ所では、
民間住居を活用した個室タイプの分室を設置。※平成16年度は退所者の47%が就職。

http://www.city.osaka.jp/media/shisei/2006_3/month/index.htm より引用)

また、大阪市健康福祉局がWeb上に公開している情報から、各自立支援センターの規模などがわかります(2005年12月末現在のデータであるため、2006年1月6日開所の「自立支援センター舞洲1」「自立支援センター舞洲2」については収録されていません)。

2. 自立支援センターの運営(平成17年12月末現在)
 野宿生活者を一定の期間宿泊させ、健康診断、生活相談・指導等を行うとともに、公共職業安定所との
密接な連携の下で職業相談・斡旋等を行い、就労による自立を支援しています。

 自立支援センター大淀(平成12年10月 2日開所)
  →定員110人・延入所者数857人
   ※平成17年12月より定員100人から110人に変更
 自立支援センター西成(平成12年11月 6日開所)
  →定員 80人・延入所者数1,079人
 自立支援センター淀川(平成12年12月25日開所)
  →定員100人・延入所者数1,066人

http://www.city.osaka.jp/kenkoufukushi/sonota/sonota_20.html より引用)

これらによると、2006年3月公表の大阪市の5カ所の自立支援センターの総定員数は490人です。5,000人を超える市内の野宿生活者への支援策として、充分な規模で行なわれていると言えるのでしょうか。また、自立支援センターには最長で6ヶ月という入所期間の制限があり、入所期間中に就労先が決まらなかった場合のフォローはなく、この場合の退所者は野宿生活に逆戻りです。

それとも、自立支援センターとは別に用意された支援策があるのでしょうか。あるいは、6ヶ月で再就職できない入所者は努力が足りないだけで、努力不足の人間はもう一度野宿生活をして反省してくればよいということでしょうか。野宿生活は現代社会の「怠け者への懲罰制度」なのでしょうか。

このような点について、興味を覚えられた方は他のQ&Aもご参照ください。

→ Q16. どうして就職しないの?
→ Q15. どうして生活保護をもらわないの?
→ Q1. 10年前とちがって、自立支援策があるんだから、それを使えばいいんじゃないの?