はじめに読みもの実用調べもの・学習《ピックアップ》メディア連絡先More ... | 野宿問題を学ぶためのブックレビューここでは、野宿問題を学ぶに適した本の紹介をします。野宿問題を概略的につかむための入門書から、雑学的・エッセイ的に楽しみながら読める本、深い理解を求める人のための本まで、内容紹介を含めて紹介します。 入門書松繁逸夫・安江鈴子『知っていますか?ホームレスの人権一問一答』解放出版社, 2003(1050円)ホームレス自立支援法施行後の野宿者問題について、一問一答形式でさまざまな角度から学ぶことができます。一つ一つのトピックが長すぎず、入門書として最適です。 ありむら潜『カマやんの野塾――漫画ホームレス問題入門』かもがわ出版, 2003(1575円)釜ヶ崎の西成労働福祉センター発行のセンターだより連載のマンガから生まれたのが「カマやん」です。この本では、カマやんのマンガを読みながらホームレス問題について知ることができます。 釜ヶ崎資料センター『釜ヶ崎――歴史と現在』三一書房, 1993(1631円)釜ヶ崎の歴史と最近の状況までがくわしくまとめられています。直接野宿者の問題について書かれている本ではありませんが、野宿者と関連する日雇い労働者や寄せ場の問題について知るために最適の本です。 楽しんで読める本水野阿修羅『その日ぐらしはパラダイス』ビレッジプレス, 1997(1470円)自身も日雇労働者である著者の体験に基づいた珠玉のエッセイ集。釜ヶ崎の日雇労働者の労働や生活が、わかりやすく魅力的な文章で描写されています。主題は釜ヶ崎ですが、そのテーマはジェンダー、家族、外国人労働者など、多岐にわたっています。 いちむらみさこ『Dearキクチさん、―ブルーテント村とチョコレート』キョートット出版, 2006(1260円)東京の公園に暮す筆者の目にうつる、ステキな女性キクチさん。彼女の綴った文章は野宿者の「豊かさ」を生き生きととらえると同時に、普通に暮すことの窮屈さをも暴いてしまう。行政の枠にはめられない、自立の在り様、可能性を覗いた気分になります。イラストもかわいい、必見です。 |