結婚差別の
のりこえ方
通婚率の増加
2000年の大阪府同和地区実態調査では、15才から29歳までの同和地区と地区外との通婚率は69.3%であり、地区外居住の同和地区出身者などを入れると80%を越えている状況が考えられます。
部落差別の最後の厚い壁は崩れつつあるのです。
通婚率は何故増加したか
大きく言えば、高度経済成長期の社会変動です。中でも、見合い結婚から恋愛結婚結婚形態の変動と被差別部落の就労形態の変化は通婚を大いに促進させました。
1970年代の初めに、恋愛結婚が見合い結婚を凌駕します。高度経済成長期には、農村からの都市への人口流入、小家族化、核家族化、個人化が地域的にも階層的にも異なる「他者」との出会いのチャンスを増大させました。こうした社会変動は、共同体的婚姻(ムラ本位)から家族主義的婚姻(イエ本位)、さらに個人主義的婚姻(個人本位)へ変動をもたらしました。家族主義的な見合い結婚は、多様な「他者」との出会いのチャンスを未然に防ぐ機能を持っていました。しかし、見合い結婚といえど現状では親の承諾を取り付ける行為は行われており、親が子どもの結婚に介入することが少なくない現状にあります。こうした介入は結婚差別を生む大きな要因になっています。
被差別部落の就労構造の変化も高度経済成長期に若年労働力の深刻な不足と共に、若年学卒者層を中心に安定的な職業に就く者が増加し、職業の多様化と格差の縮小が進みました。恋愛カップルの出会いの頻度の高いのが職場での出会いであるが、被差別部落若年層の職業の多様化と安定化で、職場での出会いのチャンスにより通婚率が高まったものと考えられます。
被差別体験の増加
ところが、通婚率の増加とにともない、皮肉なことに、各地の調査結果では結婚差別体験の増加が報告されています。2000年大阪府実態調査では、通婚者の1/3〜1/4に結婚差別体験があります。量的にも解消傾向にあるとは言えないのです。
通婚率が増加している、つまり、構造的な「差別」が減少しているからといって、行為としての「差別」が解消しつつあるとはいえない厳しい状況があります。
結婚差別の乗り越え方
- ひとりで悩まないで、信頼する人に相談すること。Kakekomi寺へどうぞ
- 部落問題の知識を身につけること。差別は間違えています
- 結婚は、憲法24条に「結婚は両性の合意による」と保障されています
- 反対する親から自立することです