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UniNomade2.0

UniNomade 2.0 プロジェクト [2010]

どうしたら理論と実践の乖離を飽くことなく議論できるような実験的空間をつくることができるだろうか。調査研究そのものが方向性を練り上げる行為となるような、まさに共-調査(コンリチェルカ)となるような場を?

これがユニノマドに息を吹き込んだ問いに他ならない。これは研究者と活動家とのネットワークであり、組織化をもって自己教育と集合的省察の道具として新たな政治的カテゴリーを企て、現在を理解し変革するものである。ここから、この共有財産と喫緊の課題とから、有志一同が新プロジェクトを立ち上げようと決定した。

連続性と非連続性によって刻印された政治的局面である。悪化の一途をたどる現下の恐慌は、私たちの予期したとおり現代資本主義の永続的条件であるかのような様相を呈してきた。だがコンフリクトの敵対的過程の「再組成化」は、機械的かつ同時的にこの条件に照応するものではない。にもかかわらず、大小とわず様々な社会運動やストライキが——工場から大都市(メトロポリス)、それもイタリアから世界中のあちこちに至るまで——日常的なレベルで増殖するのを目のあたりにしているのだ。こうした新たな諸斗争が具体的なものを動かし、恐慌をあらたな可能性の空間へと転換させている。主体化の生産、生きた労働の新たな組成内部の潜勢力、斗争の新形態、時間制の差動といったことを研究すること、革新的な場や接続の力動学を見出すこと。こうしたことが私たちの挑戦なのであり、様々に異なった形態ではあれど集合的に直面している課題に他ならない。

ユニノマド2.0はこの道を歩まんとし、この共同研究(コンリチェルカ)が形を成しうる場を提起するものである。このウェブサイトは今後も継続予定のセミナー群のためのアーカイヴとして、資料の集積地として機能する。例えばユーロ圏、恐慌、法的にみた共なるもの(コモン)、福祉とその変容といった諸課題がテーマとなろう。このサイトは省察と理論的・政治的論争の道具を構成し、また分析や考察を集めて循環させ、最終的には斗争のうちへ、研究過程において現れる諸問題のうちへと介入することを試みる。そうしてコンフリクトの諸形態および社会の諸運動との関係をひらきつづけるのである。この課題の高みに挑むために、かつて「実験室(ラボラトリー)」とよばれたイタリアで起こっていることから目をそらすことはないにせよ、議論を国境のうちに閉じてしまうような限界があれば即刻疑問としよう。ユニノマド2.0の目的は、ユーロ圏および国境横断的な次元を、分析と省察そして政治的行動の空間として私たちのものとすることにある。

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  1. originale; http://uninomade.org/progetto/
  2. traduttore: Kazuya SAKURADA, Osaka / 櫻田和也
  3. 日本語でいう従来の欧州また現行通貨とも区別するためeurope(a)をユーロ圏と訳した。
  4. いつもうまく訳せないで困るelaborateをここでは練り上げる、elaborationを考察と訳した。
  5. 共-調査(共同研究)と訳したcon-ricercaについては「コニタリアートの時間-唯物論」『現代思想』39-3:146-163, 2011.

http://www.militant-blog.org/wp-content/gallery/fotografia/potereoperaio_big.jpg
http://www.deriveapprodi.org/media/potereoperaio_big.jpg
  • 科研費「オペライズモの理論形成と世界的受容の調査研究」(若手研究(B) / 2011-2013 / 課題番号:23730490).
  • 科研費「オペライズモにおける社会調査の方法論的研究」(若手研究(A) / 2014-2017 / 課題番号:26705005).