解決したケースの紹介 「解雇警告書」編

ユニオンぼちぼちには様々な相談が寄せられています。
このブログで、その一部ですが、事例として紹介していきたいと思います。
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事例
「解雇警告書」なる文書で解雇を強制しようとしたが、ユニオンに入って撤回させたという事件

(2008年8月~12月)
契約社員としてA社に雇用されていたXさんが、労働成績を理由に「解雇警告書」への署名を強要されました。
会社側「・・・この数字では業務を続けられません。よって今月中に目標達成しないと30日後に解雇となることに同意を得るための面談です。今の成績では、解雇となります。すぐにこの書面に署名してください」
労働者側「もし同意しなけばどうなりますか?」
会社側「同意しないというのはありません。解雇通告ですので。」
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<以下、契約書の全文>
解雇警告書
○○ 殿
             平 成20年8月13日
            A株式会社 ○部門長 印
貴殿は、契約社員就業規則第31条第2項に該当する行為、下記1に該当するため、現状の状況が今後30日以上続いた場合 、就業規則第32条に定める懲戒処分とすることを通知いたします。
なお本通知は労働基準法規定の30日前の解雇通知であることを ご承知おきください。
          記
1、就業規則該当行為の内容第31条2項
技術または能力が著しく劣りかつ上達の見込みがなく就業に適さないと認める
  平成 年 月 日
              印
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このような「解雇警告書」といったものの発行と署名の強要は違法なもので、許されざる行為です。
「懲戒」などという用語を使うのは言語道断ですし、解雇は、その人の生活の手段を奪いかねない行為なので、よほどの理由がないとしてはならない行為です。解雇4要件など、客観的に合理的な理由があり、社会的にみても解雇する相当性があることが必要です。解雇する前には、配置転換、異動等その労働者の能力に応じた職場・職種への転換といった「解雇回避努力」をしなくてはなりません。少し成績が悪いぐらいでは、解雇など出来ません。せいぜい、査定で少し評価が下がる程度で、それで賃金を下げることでさえ大問題です。
そこで「解雇警告書」の撤回と謝罪および再発の防止を要求して、団交と文書のやり取りを重ね、次のような成果を得ました。
・「解雇警告書」の撤回および謝罪
・責任者への処分とその内容の組合への報告
・再発防止に向けた社内教育の徹底とその内容の組合への報告
・解決金
これは、労働者・組合側が求めたものがほぼ反映されたものでした。
現在、会社側がちゃんと再発防止に向けて取り組んでいるかチェックしているところです。

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