報告が遅れましたが、9月19日(日)にカワイ音楽教室に抗議の街頭宣伝に行きました。これは福岡のfuf(フリーターユニオン福岡)に連帯した行動です。
カワイ音楽教室は、事実上労働者として指揮命令しているにもかかわらず、ピアノ講師を自営業者扱いにしてこき使い、その上研修と称して金銭を巻き上げていました。fufが争議を始めても、当該が労働者で無いと嘯いて団体交渉を拒否したため、不当労働行為で労働委員会に訴えていました。
このたびfufの主張を認めた命令が出たので、全国の友好労働組合で、各地のカワイ音楽教室で街宣をして、fufとの団体交渉に誠実に応じるように圧力をかけようということで取り組みました。
残念ながら不在(しかもポストの位置も不明)だったため、ドアにビラを差し込み、正面でビラまきをおこないました。
月別アーカイブ: 2010年9月
『<働く>ときの完全装備』発売中
労働者の権利を学ぶ教材集『<働く>ときの完全装備』が好評発売中です(印税の一部が組合にカンパされます)。
「ユニオンぼちぼち」の組合員が『反貧困学習』を出している西成高校の肥下先生と一緒に作ったので、すぐに使える教材集です。とても実践的で、すでに働いている人の力にもなります。
<働く>ときの完全装備 15歳から学ぶ労働者の権利 (2010/09/16) 橋口 昌治肥下 彰男 |
反貧困学習 格差の連鎖を断つために (2009/06/29) 大阪府立西成高等学校 |
■肥下先生の書かれた「はじめに」より
「先生、僕はもうダメです。先生に会いに行く交通費もありません。」悲鳴にも似たメールが卒業生から届きました。いまから思えば、私と本書をともに執筆することになった関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼちのメンバーとを出会わせてくれたのは卒業生の彼の存在であったと言えます。
高校時代の彼はとにかく真面目に何事にも取り組む生徒であった。在学中に母親を亡くした後もしっかりと自分の進むべき道を歩み、私を含めた周りの多くの人たちに影響を与えてくれた生徒だった。卒業後もいろんな面で彼に支えられてきたのはむしろ私のほうでした。
彼は大学卒業後、地元で一旦は就職するも人間関係のもつれから退社することになり、その後人材派遣会社で働いていました。しかし、その会社では違法な二重派遣も常態化し、経営者はいかに安い賃金で日雇い派遣の労働者をこき使い、そして賃金をピンハネして儲けるかに躍起になっていたそうです。「人を人と思っていない」会社に彼は耐えきれずに退社しました。その後、会社からいやがらせを受け続け、彼は精神的にどんどん追いつめられていきました。私はこの状態が続けば、彼は「殺される」かもしれないと感じました。このような状況の彼を物心両面でサポートしていたのが、ユニオンぼちぼちのメンバーでした。彼のように様々な理由で高校卒業(中退)後に、家族・企業(従来型の労働組合を含む)・地域からの支えを受けることができない若者を、ユニオンが労働相談だけでなく生活相談も含めてしっかりサポートしていることを知り、正直私自身のユニオンに対するイメージも大きく変わりました。
彼のように社会に押し潰されそうになっている若者がいまの日本には無数にいるに違いない。連絡のとれていない卒業生や中途退学生徒の中に、同じような状況に陥っていて、しかもどこに助けを求めていいかもわからない者もいるのではないか。在学中に、何を伝え、ともに学んでおくべきだったのか。「学校」の果たせる役割とは何なのか。
生活保護申請ビデオカメラ弾圧事件で、A君に対して不当判決
大阪府柏原市での生活穂儀申請に対する不当逮捕事件について、「ユニオンぼちぼち」として以下の声明を発表しました。応援していただいた皆様、ありがとうございました。
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関西非正規等労働組合 ユニオンぼちぼち
2010年9月18日
大阪府柏原市に生活保護申請をした際にビデオカメラなどで脅したとする職務強要事件について、大阪地裁堺支部は、2010年9月14日、1年6ヶ月(執行猶予3年)の有罪判決を下した。
生活保護を受給する資格がないのに恐喝して違法に受給をしたのではなく、柏原市の狭霧哲哉職員などがA君が困窮しているにもかかわらず適切な助言・援助をせず、再申請を違法にも受理しなかったために、やむにやまれずビデオをまわしてちゃんと職務を法律にそって遂行するよう要求しただけであった。しかし判決は、そうした全体の文脈をみずに、A君の行動は社会常識に照らして許容限度を超えているとして、狭霧哲哉職員および検察側の主張を一方的に丸呑みして不当な判決を下した。
市役所の職員は、生活保護給付を決定する圧倒的な権力を持っているのであり、それに対し、通常の市民が少し感情的に対応した場合も、職員は高潔な人格をもって冷静に説得しサポートすることこそ職務である。自分たちの非援助的な行為を反省するどころか、逆にA君の人生を破壊するような行為をして不当にも逮捕させた柏原市の対応は許されるものではない。
A君は、最初から犯罪者扱いの取調べをうけ、起訴された後、約5ヶ月にもわたって不当な拘留をされ、そのために通っていた職業訓練校も退学させられ、心身に大きなダメージを受けた。その傷口に塩を塗る今回の判決に、私たち支援者は強く抗議するものである。
今後、この判決が悪用され、簡単に「職務強要」なる主観的であいまいな「犯罪」が乱発適用されて、生活保護課・福祉事務所等で多くの「社会的弱者」がその権利を侵害されることを私たちは危惧する。また生活保護申請への同行支援や交渉、労働運動や社会運動においてビデオカメラを使う権利が制限されるようなことがあってはならない。
密室での不当な行為を防止し、人権が守られ公平な処遇がなされるよう、プロセスを可視化していくビデオカメラ撮影行為には十分な公益性があることを私たちは主張する。
この判決に臆することなく、私たちは全国の仲間とともに、今後とも役所の水際作戦や人権侵害などを許さない活動をすすめていくことをここに宣言する。
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なお、この判決で一段落したため、諸般の事情を考慮して関西非正規等労働組合を中心としたA君裁判支援体制を解散することになりました。応援メッセージやカンパや差し入れ、集会参加などでご支援いただいた皆様には感謝いたします。ありがとうございました。
野宿者の生存を脅かし、社会的排除を助長する条例改正に反対する共同声明
労働力の調整弁として、非正規雇用の労働者は資本からいつだって使い捨てです。イギリスで「ホームレス」の定義は、「3ヵ月先の安定した住居が未確保の者」を指します。日本で3ヵ月未満の有期契約で働く仲間たちは、イギリスだったらホームレスと呼ばれる対象なのです。そして日本で実際に野宿生活をしている人々は、労働市場から排除された現在の若年非正規雇用労働者の、まさに先輩といえる人々だと思います。自らの生存を賭して、本条例の制定に絶対反対。力を合わせて断固阻止しよう。
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野宿者の生存を脅かし、社会的排除を助長する条例改正に反対する共同声明
わたしたちは、京都市によって京都市会9月定例会に提出された、家庭から出された「缶・びん・ペットボトル」及び「大型ごみ」の持去りを禁止する条例改正案(以下、本件改正案とする)を、野宿者の生存権を侵害し、野宿者に対する社会的排除を助長するものであると考え、本件改正案に強く反対します。
さまざまな事情から住居を失い、いったん野宿の状況に追い込まれると、その状況から脱出するのは容易ではありません。野宿者の相当数は、高齢であったり、けがや病気、障がいなどをかかえていたりして、現状の雇用システムからは排除されています。野宿者であるというだけで雇用に極めて消極的な態度をとる企業も少なくありません。また、生活保護は、野宿者に対する運用において、集団生活となる施設への入所が原則化されるなど、野宿者にとって利用しにくいものとなっています。野宿者は安定した収入も住居も奪われ、極度の貧困状態を強いられています。彼ら彼女らの多くにとって、アルミ缶等の廃品を収集して換金することは、命をつなぐための残された貴重な手段の一つとなっているのです。
このような現状において、適切な労働政策や福祉政策の実施もないままに、本件改正案によってアルミ缶等の収集が禁止されてしまうと、野宿者の多くが生活の糧を奪われ、その生命が危険にさらされることになります。条例改正は、「健康で文化的な最低限度の生活」以下の生活を強いられている野宿者を更に困窮させるものであり、重大な人権侵害であるといえます。
また、本件改正案は、野宿者に対する社会的排除を助長するおそれがあります。野宿者は差別と偏見にさらされ、社会的排除の対象になってきました。野宿者に対する誤解のもとに、野宿者支援のための宿泊施設の建設に対して地域住民による反対運動がおこる事例も散見されます。中高生などによる野宿者への嫌がらせ、殺傷行為も後を絶ちません。本件改正案は、生きるためにアルミ缶等を収集する野宿者に「わるもの」というレッテルを貼るものであり、野宿者に対する社会的排除の風潮を助長しかねません。
日本社会で大きな社会問題となっている貧困問題は、社会の無理解と無関心のもとで広がり深刻になっていきました。ようやく最近になって貧困問題への社会的取り組みが政策的課題とされつつあります。貧困問題を克服するためには、貧困を可視化し、これまでの差別や偏見を乗り越える必要があります。ところが、本件改正案は、明らかにこれに逆行するものです。京都市の態度に、わたしたちは大きな不安を感じざるをえません。
わたしたちは、野宿者に対する重大な人権侵害であり、排除的政策である本件改正案に対し、怒りをもって、反対を表明します。
2010年9月15日
反貧困ネットワーク京都
関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち
京都自治体関連労働者自立組合ユニオン「らくだ」
きょうと夜まわりの会
健康よろずプラザ
生活保護問題対策全国会議
全京都生活と健康を守る会連合会
反貧困ネットワーク
反貧困ネットワーク川神奈
反貧困ネットワーク埼玉
ホームレス総合相談ネットワーク
ホームレス法的支援者交流会
ホームレス支援機構・京都寄り添いネット
京都自立支援バックアップセンター
近畿生活保護支援法律家ネットワーク
NPO法人あったかポート
ある組合員の想いと日常
「ユニオンぼちぼち」組合員のKさんのエッセイを紹介します。
どんな毎日を送っていて、どんなことを考えてるのか、おしえて、というリクエストへの返答です。
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こんにちわ。涼しくなりましたね。
今は夕食が終わり、有機紅茶を飲みながらビリー•ホリデイを聞いています。
今日は8時に起きて、運動、、トランペット、、、ギター弾いて、中原中也の詩を読み。散歩。作詩。不安。喜び。侘しく。
ユニオンぼちぼちに加入したのは今年の春でした。引越作業員として五年ほど働きましたが、残業代の未払い、サービス残業、パワハラ、忙し過ぎる仕事、という具合です。
ぼちぼちに同僚と相談に来ました。
その後、月一回ペースで団体交渉を開いて来ましたが、ようやく先月和解に至りました。
やりたいことがもっとあったはずの人生で、毎日働いて、すり減らして、ビールでコンビニ弁当・・・これは忘れて慣らされる事に拍車をかけます。力を奪われた事にも気がつけない。そんな季節がありました。
それでも創りたかった人生を三年前くらいから生きようとしてきました。
本当に難しい!‼
気がついた時には、すっかり僕は消費社会の奴隷でした。家事をする気力も起こらないくらい疲れ、かさむ食費、やめられないタバコ。。。すべては巧妙でサイクルで僕は媒体です。
そこから離れて創る。新鮮。。。。。。。想いがある。
ぼちぼちに加入して自分達の権利を認めさせる。
有給も使い切り、退職して失業保険を貰って生活しています。ユニオンや法律のことを知って、また一段と前の生活から遠ざかりました。少し怖くなくなったということで、はるかに人生たらしめている今日があります。
まだまだ知らない角度がいっぱいあるなぁって思います。弱っているときも組合員のみなさんが励ましてくれたり、僕も友人の相談に乗ったりとか。生き方を決めるという事でもあり。
池が私に映りこむ 鼓動は縹色 飛沫をあげる
iPhoneから送信
A君事件不当判決!(速報)
本日13時10分、大阪地方裁判所堺支部にてA君事件の判決公判が開かれましたので、お伝えいたします。
判決
懲役1年6ヶ月(ただし未決拘留70日分を算入)
執行猶予3年
検察側の主張を全面的に採用し、弁護側の主張をすべて退けた不当判決です。窓口で声を上げる、ビデオを撮影するといった外形的なA君の態度だけを問題にし、事件に至るまでの福祉事務所の対応の問題は一切考慮されていません。この不当性をまずもって弾劾したいと思います。
詳細な報告や今後につきましては改めて報告いたします。
A君事件 裁判傍聴のお願い
生活保護申請ビデオカメラ弾圧
傍聴支援のお願い
多くの方々からご支援をいただいた裁判も、ついに判決を迎えます。
日時:9月14日(火)13時10分~
(10分前には法廷前廊下に来て頂き、組合の担当者に必ず声をかけて頂く様お願いします。)
場所:大阪地裁 堺支部301号法廷(南海堺東駅徒歩10分)
内容:判決
ネットカフェなどに置きビラ
ユニオンの活動が新聞などで取り上げられることが増えましたが、まだまだ情報を必要としている人に届いていないという印象です。
そこで昨日、京都河原町周辺にあるネットカフェやバー・カフェなどに、「労働・生活相談を受け付けています」ということを書いたビラを置いてもらう活動をしました。
意外とあっさり置いてくれるところが多く、心が折れずにすみました。
次は大阪でもやろうと考えています。