月別アーカイブ: 2015年5月

学習会「どうやったら私たちの賃金は上がるの?」報告

学習会では、まずユニオンぼちぼち副執行委員長の橋口から最低賃金制度について説明されました。最低賃金は労働者の働く条件、生活を守るものであるが、それだけでなく、労働力の質と企業間の公正な競争を保ち、日本経済の健全な発展を実現させるためのものでもあると最低賃金法に書かれていると話されました。
◆最低賃金法第一条
この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
この話はゲスト講師のかまやんさんから話された日本経済の不健全な現状とつながります。90年代以降企業は投資先を見つけられず人件費を下げることで利益を出し、その結果企業貯蓄と家計貯蓄が逆転する状態が続いています。これはリスクをとって投資し利益を上げる本来の企業の姿から外れています。
かまやんさんは、「労働者が何でも言うことを聞く状態、聞かざるをえない状態にあるため、日本の経営者は非常に楽をしている。しかしそれは人海戦術化(労働力の濫費)をもたらし、IT化などの高度化を阻害し、日本の企業が競争力を上げられないことにつながっている」と言います。
「経営者は楽をするな」と労働者はもっと言っていく必要があるし、最低賃金を上げることは経営効率化にもつながる。「雇用が減る」「工場が海外に行く」と言われるのではないかという質問に対しては、そもそも大企業はお金を余らせている事実を見るべき、それを労働者に回せと言うべきだと明快な回答がなされました。
また今のパート・アルバイトの時給の相場についても絶対的な根拠があるわけではないということも話されました。時給1500円になれば、それが支払えるような経営モデル、経済構造に変化していくので、労働者も今の賃金相場が当たり前のものだという考えを変える必要があります。
そのほか失業保険や生活保護(あるいは給付付き税額控除)がもっときちんとしたものになって「失業ができる」状態が広がれば、労働者が安くて不安定な仕事を無理にやる必要がなくなるため、賃金にとってもプラスになるといった社会保障の話もされました。その財源はもちろん法人税です。
重要なポイントは、大企業はお金を余らせているから、それを有効に使わせることです。人件費に回させることで、労働者の生活も豊かになるし、内需も拡大するし、物価も上がるし、労働力の質も良くなるし、企業経営も効率的で筋肉質になっていくということだと思います。
「大企業の経営者は楽をするな」「労働条件を下げること以外で利益を出せるようになれ」ときちんと言っていくことが大事だなということを学びました。
声を大にして言っていきましょう。

立命館大学によるビラ配り妨害への抗議文

立命館大学総長
吉田美喜夫様

抗議および要求書

 2015年4月24日の昼休みに、関西非正規等労働組合・ユニオンぼちぼち立命館分会に所属する組合員が、立命館大学衣笠キャンパスの東門において、5月16日開催予定の学習会「どうやったら私たちの賃金は上がるの? 日本経済と最低賃金から考える」および6月14日開催予定の「賃金上げろデモ」に関するビラを配っていたところ、キャンパス事務課の職員2名が来て「宣伝行為をやめなさい」と言ってきました。組合員が「組合の活動です」と言ったところ「関係ない。宣伝行為とみなす」と返してきました。正当な組合活動であると判断した組合員がビラを配り続けたところ、職員は腕時計を見ながら「警告する」と伝えてきました。「労働組合の正当な活動です」と応じた組合員に対して、職員は「警告する」という返答だけを繰り返しました。「組合活動です」「警告する」というやりとりが数回繰り返されたあと、組合員が「ビラ配りを禁止する規定があるなら書面で見せて下さい」とお願いすると、職員は「今は持っていない」と返答しました。組合員が再度「書面で規定を見たい」と言ったところ、職員は「今は持っていない」と繰り返したあと立ち去りました。組合員はビラ配りを再開しましたが、職員は現れませんでした。
 ユニオンぼちぼちは、このような大学職員の対応は、組合活動への妨害、表現の自由の侵害であると考え、立命館大学に対して抗議します。
 ユニオンぼちぼちは、非正規労働者を中心に構成される労働組合であり、主に京都、大阪において労働相談活動を行ってきました。またユニオンぼちぼち立命館分会は、現在立命館大学に雇用される非常勤講師・アルバイトによって構成されています。これまで当分会は、団体交渉によって大学に雇用される学生・院生労働者(TA・RA・アルバイトなど)の労働者性を認めさせ、彼らに労働者代表選出選挙の投票権があることを広くアピールするなど、立命館大学に雇用される非正規労働者の労働条件の向上に取り組んできました。今回のビラ配りも、立命館大学に雇用される労働者の労働条件を向上させることを目的としたものでした。また近年「ブラックバイト」と呼ばれ、社会問題になっている学生アルバイトの惨状も念頭にあったことは言うまでもありません。
 高学費が維持され、給付型奨学金の拡充が全く進まないなか、学生・院生はアルバイトをしながら学習・研究を行っています。また非正規労働者・非常勤講師は、不安定・低賃金労働に従事しながら奨学金の返済を行なっています。よって、最低賃金の上昇による賃金相場の底上げは、学生・院生の学習・生活環境、ならびに教員・研究員の教育の質と研究環境の向上につながるはずです。そのようなことを目指して行われたビラ配りを立命館大学は妨害してきました。これは正当な労働組合活動に対する弾圧、ビラ配りという大学で広く認められるべき表現の自由の侵害であり、ユニオンぼちぼちは抗議し、再発防止を求めます。
 そもそも立命館大学は、これまで起こされてきた裁判や抗議行動が示すように、率先して労働者の働く条件を切り崩してきました。一学校法人のコストカットという短期的で短絡的な理由によって行われた労働条件の切り下げは、社会全体の流れに棹をさし、皮肉にも卒業生をも巻き込む結果に至っています。大学は入試説明会などによって大学で学ぶことが良い進路の実現につながると喧伝しますが、安心して働ける「良い進路」などもはや存在しません。しかし「良い進路」に進めるかどうかという若者の不安は、大学にとって入学者獲得のための材料になっています。労働環境が悪化し若者が不安になればなるほど大学の存在価値が高まるというのでは、大学というものは一体何のために存在するのでしょうか。大学の行っていることが学問とその教授であり資格詐欺ではないというのであれば、立命館大学は労働組合と自由の敵であることをやめ、労働条件の改善に取り組んでいくべきです。
 立命館大学としての今回のビラ配り妨害に関する見解および再発防止策、ビラ配りに関する見解およびビラ配りを規制する根拠、労働組合の情宣に関する考え方を、5月25日までに書面にて以下の宛先(事務所住所)に郵送するかたちでお知らせください。
以上

第25回京都地域メーデー

2015年5月1日、《第25回京都地域メーデー》が開催されました。
暑いくらいの晴天のなか、メーデーにはのべ250人が参加し、日頃会うことが少ない他労組の方々、市民団体の方々との連帯を確認する機会となりました。
ユニオンぼちぼちからも、委員長・書記長ほか組合員数名が参加しました。
集会ではユニオンぼちぼちの最近の活動や問題意識についてアピールし、デモ行進ではバナーを掲げて歩きました。
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