学習会「どうやったら私たちの賃金は上がるの?」報告

学習会では、まずユニオンぼちぼち副執行委員長の橋口から最低賃金制度について説明されました。最低賃金は労働者の働く条件、生活を守るものであるが、それだけでなく、労働力の質と企業間の公正な競争を保ち、日本経済の健全な発展を実現させるためのものでもあると最低賃金法に書かれていると話されました。
◆最低賃金法第一条
この法律は、賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図り、もつて、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
この話はゲスト講師のかまやんさんから話された日本経済の不健全な現状とつながります。90年代以降企業は投資先を見つけられず人件費を下げることで利益を出し、その結果企業貯蓄と家計貯蓄が逆転する状態が続いています。これはリスクをとって投資し利益を上げる本来の企業の姿から外れています。
かまやんさんは、「労働者が何でも言うことを聞く状態、聞かざるをえない状態にあるため、日本の経営者は非常に楽をしている。しかしそれは人海戦術化(労働力の濫費)をもたらし、IT化などの高度化を阻害し、日本の企業が競争力を上げられないことにつながっている」と言います。
「経営者は楽をするな」と労働者はもっと言っていく必要があるし、最低賃金を上げることは経営効率化にもつながる。「雇用が減る」「工場が海外に行く」と言われるのではないかという質問に対しては、そもそも大企業はお金を余らせている事実を見るべき、それを労働者に回せと言うべきだと明快な回答がなされました。
また今のパート・アルバイトの時給の相場についても絶対的な根拠があるわけではないということも話されました。時給1500円になれば、それが支払えるような経営モデル、経済構造に変化していくので、労働者も今の賃金相場が当たり前のものだという考えを変える必要があります。
そのほか失業保険や生活保護(あるいは給付付き税額控除)がもっときちんとしたものになって「失業ができる」状態が広がれば、労働者が安くて不安定な仕事を無理にやる必要がなくなるため、賃金にとってもプラスになるといった社会保障の話もされました。その財源はもちろん法人税です。
重要なポイントは、大企業はお金を余らせているから、それを有効に使わせることです。人件費に回させることで、労働者の生活も豊かになるし、内需も拡大するし、物価も上がるし、労働力の質も良くなるし、企業経営も効率的で筋肉質になっていくということだと思います。
「大企業の経営者は楽をするな」「労働条件を下げること以外で利益を出せるようになれ」ときちんと言っていくことが大事だなということを学びました。
声を大にして言っていきましょう。

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