皆さんこんにちは。関西非正規等労働組合(ユニオンぼちぼち)です。
「釜ヶ崎ストロームの家」という、釜ヶ崎の中でアルコール依存症や知的障がい者の方々の支援をする施設で、職員・清水裕(しみずゆう)さんに対して不当解雇事件が起こっていましたが、施設側に解雇の不当性を認めさせ、謝罪させる事ができました。
不当な解雇事件
清水さんは、アルコール依存症で再飲酒してしまったジョイ(ストロームの家が運営するグループホーム)の入居者さんへスポーツドリンクを差し入れた、休日を使って他の事業所の見学に行ったことなどを理由として、2月22日付で即日懲戒解雇されました。しかし、こんな理由で1人の人間を解雇する事はできません。清水さんは、このような不当な解雇をした施設側の責任を追及したいと考えこれまで頑張ってきました。そして7回に及ぶ団体交渉と2回の抗議行動の末、ついに9月20日に謝罪文を勝ち取りました。
まだ終わらないストロームの家の問題
謝罪文を勝ち取り、懲戒解雇を撤回させましたが、ストロームの家の問題は根深いものがあります。団体交渉の中で施設長・村松氏は、利用者への病状悪化を防ぐためと称し、利用者さんの携帯電話を操作して清水さんからの電話を着信拒否するよう職員に指示を出した、と発言しましたが、これは通信の自由を制限する人権侵害です。また3月26日には、清水さんが解雇された事に疑問を持ったジョイの入居者・坂本篤重(さかもととくしげ)さんを着替えも持たせずに追い出す事件を起こしています。こうした施設の体制や村松氏の行動については問題にならず、一方で入居者の脱水症状を気遣ってのスポーツドリンク差し入れ、休日を利用しての自主研修を理由に清水さんを即日「懲戒解雇」しようとした村松施設長を始めとするストロームの家のあり方こそ、問われなければならないのではないでしょうか。
しかし、7回目の団交でようやく出席した理事からは「職員から聞き取りをして清水さんには命令に従わない所があった事が分かっている」などという発言も飛び出し、本当の意味で施設側が解雇の不当性を認めているのか疑問です。この発言に対し、組合側から「その聞き取りをした職員達の中から1人でも坂本さんの追い出しはおかしいのではないか、という発言をする人はいたのか」という質問が出され、理事は「そういう発言はなかった」と答えました。更に、「坂本さんの問題は解決に向かっていると村松氏から報告を受けている」と理事が発言し、坂本さんを始め、団交に参加した組合員からは「どこが解決に向かっているんだ」との声が上がりました。
清水さんが解雇されてから施設が謝罪するまで7カ月もの時間が経過しているにも関わらず、理事達はこの問題を放置し続け、村松氏の責任を追及しようとする事もありませんでした。そしてその間に、ストロームの職員達からは反対の声もなく、利用者である坂本さんが追い出されるという事件が起こっているのです。こうした事から、村松氏の運営方針に対して反対する職員や理事はおらず、もし反対すれば清水さんや坂本さんのように放り出される目に遭うという、施設の問題が浮き彫りになっています。
ストロームの家による人権侵害事件への支援を!!
清水さんの解雇事件は、今後、未払いの残業代などは法廷で争う事になっているものの、施設側に謝罪文を出させ解雇を撤回させた事で一応、解決に向かったと言えるでしょう。しかし、坂本さんの事件は何の進展もありません。ストロームの家は坂本さんとの話し合いに応じず、理事や他の職員も誰1人問題解決のために動こうとしません。
ストロームの家の不当解雇事件に取り組む中で、「実は俺も村松にはひどい目に遭わされて辞めたんだ」と言ってきてくれた利用者の方もいました。そして、坂本さんは追い出された後もずっと清水さんが解雇された事をおかしいと言い、団交に参加し続けてくれました。こうした方々の思いを受け、ユニオンぼちぼちは、ストロームの家による人権侵害を許さない会への支援を行っていく事にしました。事件の詳しい経緯などは、人権侵害を許さない会のブログが立ち上がっていますので、そちらも是非見てください。今後もまだまだご支援をよろしくお願いします。
http://savetherights.blog.fc2.com/ (釜ヶ崎ストロームの家による人権侵害を許さない会)
→この記事のPDF版
*社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家と社会福祉法人ストローム福祉会は別の法人です
謝罪文獲得! 社会福祉法人釜ヶ崎ストロームの家は 懲戒解雇を撤回!!
コメントを残す