A君逮捕についてムービーユニオンさんが声明

フリーター全般労働組合の分会の1つ「ムービーユニオン」さんが、A君逮捕について声明を挙げてくれました。
ありがとうございます!

―――以下声明―――
生活保護申請の様子を撮影したA君は無罪だ!
申請用紙をわたさない、威迫によって追い返すなど、福祉事務所による生活保護申請への違法な拒否行為が繰り返されています。そういったやり取りの中で、関西在住のA君は逮捕・起訴されてしまいました。
http://rootless.org/botiboti/blog/blog-entry-1101
 A君は自身の生活保護申請の様子をビデオカメラを回して撮影しました。大阪府警はこれが「職務強要罪」にあたるとして彼を令状逮捕し、彼は起訴されています。A君が「保護申請の受付」を求めたことはあろうことか「犯罪」とされてしまったのです。そもそも福祉事務所には、保護を求める人々の申請を受け付ける義務があります。ですから保護の申請を求めることが「職務強要」にあたらないことは明らかです。
 生活保護の申請時における不透明な行政システムをビデオカメラにより可視化することには公共性があります。生存の危機に瀕し、人々が生活保護の申請をしたにも関わらず、追い返えされ、死を選ぶことしか出来ない状況の予防につながるからです。
 これまで、そのような社会問題の可視化はジャーナリストやドキュメンタリー作家の特権的な仕事でした。しかし、メディア・テクノロジーの進歩により、今や厳しい環境で生きる人々自らがビデオカメラを手に取り、それを実現できるようになりました。
 そのような現代において、「A君」の行為に十分な公益性があることは明白です。
 同時に私たちは、「A君」が福祉事務所の職員にカメラを向けたという行為それ自体、それが非暴力の表現活動であり、その自由を犯してはならないと考えます。
 多くの福祉事務所の職員は、生活に困窮した人々とのコミュニケーションを通じてさまざまな問題を解決しています。なのに今回、その解決は安易に警察に委ねられてしまいました。それは、福祉事務所の職員が主体的に問題を解決する能力を失っていることを意味し、その専門的能力を疑わざるをえません。ひいては、行政に対しての社会的信頼にとって大きな損失であると言えるでしょう。
 この事件で有罪の判例が出るならば、それはジャーナリズムの死であり、芽吹こうとしている民衆のためのメディアの死をも意味するでしょう。
ムービーユニオンはA君の無罪即時釈放を強く要求します。
ムービーユニオン
2009年12月2日
〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-16-13 MKビル2階
フリーター全般労働組合ムービーユニオン
電話/FAX: 03-3373-0180 03-3373-0180
Mail: union(at)freeter-union.org ※(at)は@に置き換えてください
ムービーユニオンはフリーター労組の分会として、クリエイティヴ・ アーティスト活動に労務(労働)という概念が加わる次の文化サイクルを模索し、クリエーターたちの「やりがい」の搾取が横暴する時代の終焉をイメージする。お前の代わりならいくらでもいると絶えず脅され働く不定期労務者(映画監督/映像ディレクター/アニメーター/カメラマン/WEBデザイナーなどクリエーター・アーティスト全般)のユニオン。

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