本日7月14日付で、エルおおさかの指定管理者である(一財)大阪労働協会に対して「抗議文」を送付しました。
■抗議文
労働運動にとって、表現の自由という権利は結社の自由と並び、活動の基盤となる権利です。わたしたちは個別の職場での労働条件の向上においても、労働者全体の利益と安全を追求する場合においても、この権利を駆使し活動してきました。
貧富の格差が拡大し、労働者を人間扱いしない荒れた職場が増えていることは、日々の労働相談からも、ひしひしと感じるところです。そのような社会の荒廃の中で、異論を認めない風潮が広がっていることと展覧会「表現の不自由展かんさい」への妨害は密接につながっていると考えます。これまで以上に、労働組合の活動は重要度を増しています。
日本社会でも表現の自由が抑圧された時代、労働運動は息の根を止められ、労働者は他国の労働者との殺し合いを強いられました。その結果、2000万人を超える人命が失われることになりました。
今回、妨害者から問題とされた作品は、まさにこの歴史と直結したものです。これが愛知トリエンナーレで公開を大幅に制限されたことも含め、展覧会「表現の不自由展かんさい」の内容は、わたしたちが学ぶ意義があると考えます。
貴法人が指定管理者として運営しているエルおおさかは、その設置条例の第一条で設置目的として労働組合の健全な発展、労働者の教養の向上、福祉の増進を掲げています。展覧会「表現の不自由展かんさい」を中止すること、並びに即時抗告することは、労働組合の健全な発展という設置目的に反するとわたしたちは考えます。
このような観点から下記のとおり抗議します。
1.エルおおさかが展覧会「表現の不自由展かんさい」の利用許可を取り消したことに抗議します。
2.大阪地方裁判所が展覧会のための会場使用を認めたことに対してエルおおさかが即時抗告したことに抗議し、取り下げを求めます。
以上