京都暮らし応援ネットワークとの第3回団体交渉とその後の経緯

当組合が京都府労働委員会に対して不当労働行為救済申立(労働委員会救済申立書ブログ用)を行い、法人からの答弁書(答弁書ブログ用)を受け取ってから、4月12日(月)に第3回団体交渉が開催されました。

当組合は、当初より一貫して、以下の法人の対応に問題があったと主張してきました。

  • 事実確認もしないままA組合員に対して出勤調整をすることにより、A組合員の生活に多大な支障を与えたこと
  • その出勤調整の方法が、H氏の予定を先に聞き、A組合員には時間的余裕を与えずに提示するというものであったこと
  • 業務上の事情からこの日には出勤する必要があると説明し、返事がなかったので出勤したA組合員に対して懲戒処分を検討していると通告したこと

このことは文書と口頭で繰り返し説明してきたのですが、第3回団体交渉でもう一度説明させられました。

これらはすべて証拠も残っていることであり、法人側は有効な反論ができません。

そこで、京都暮らし応援ネットワークでの事務員としての勤務を辞めざるを得なくなり、生活に困窮しているA組合員に各理事がカンパをするという提案が、法人側からなされました。

第3回団体交渉に出席していた理事がそれぞれ具体的な金額を述べ、他の理事に聞くために法人が持ち帰ることになりました。

4月20日(火)に、山上義人副代表理事から、次のような回答がありました。

おはようございます。

昨日、19時からオンラインで行われた理事会の結果について、お知らせします。

まず、4月12日に行われた組合交渉を受けて私からAさんが「よりそいホットライン」

の事務の仕事を失い、「生活困窮の状態にあるため、カンパにより応援してはどうか」と

呼びかけました。

しかしながら、賛同される理事及び監事の方は誰もおられず、京都府労働委員会への申立

及び京都簡易裁判所への提訴に対して法人として粛々と対応していくことになりました。

以上です。

「京都簡易裁判所への提訴」というのは、藤喬代表理事から支配介入を受けたA組合員が不法行為に基づく損害賠償請求をしていることを指しています。

当組合からは4月26日(月)に次の文書を送りました。

貴法人で事務員として勤務していたA氏に関する団体交渉を申し入れます。

従来から申し入れている通り、今後、A組合員にかかわる地位・身分その他につきましては,貴法人と当労組の間の交渉において協議・決定していきますので、回答等はA組合員ではなく、当労組担当者までお願いいたします。

前回の団体交渉を受けての「応答」にはまたまた失望しました。こちらも歩み寄って何とか「妥協的な解決」を目指したのですが、結果的にはゼロ回答で、どうしてそこまでかたくなに解決を遠のかせられるのか理解できません。この間、団交に出席する理事は、団交を受けて歩み寄りの姿勢を見せるものの、理事会にはかった後に、団交で示したものと異なる姿勢を見せるということが繰り返されています。その結果、団交の場で決定できない状態となっており、当該組合員は何回も裏切られているという気持ちを強くしています。

さらに回答の際に、貴法人が「京都府労働委員会への申立及び京都簡易裁判所への提訴に対して法人として粛々と対応していくことになりました。」と述べたことは、団交での解決を放棄したものと受け取れ、不誠実であると考えます。組合は労働委員会に申し立てを行っていますが、あくまで団交での解決を求めてのことです。当該も裁判を起こしていますが、団交での解決が見通せないなか止むを得ず司法に訴えたわけです。そこで貴法人に、改めて誠実に、形式的ではなく実質的な団体交渉に応じることを求めます。

その際、これまでのように、持ち帰った案が理事会でひっくり返されるということが繰り返されずに済むよう、代表理事・副代表理事が組合に対して示した解決の方向に反対している理事の出席を求めます。当組合としては、団交での話し合いの内容やニュアンスが、参加していない理事メンバーには十分かつ適切には理解されていないと危惧しており、団交の場で直接意見を交わした方が解決に向けた実質的な話し合いができると考えております。

これまで組合は、解決に向けた妥協案や方策を具体的に提案してきした。貴法人も、形式的な対応やゼロ回答を繰り返したり、労働委員会や司法に解決を丸投げするのではなく、具体的な案を組合に提案し、法の趣旨にのっとって当事者間で解決する努力を示すべきだと考えます。

そこで次回団交に向けては以下のことを求めます。

1 実質的な団体交渉に応じること、および藤代表理事・山上副代表理事が組合に対して示した解決の方向に反対している理事が必ず出席すること

2 関西非正規等労働組合が求める「謝罪と従業員への経緯説明・解決のための金銭的補償」に対して、京都暮らし応援ネットワークとして、こういう内容(レベル)なら提起できるという「謝罪と経緯説明の文案、金銭的補償についての案」(解決案)を持ってくること。

3  上記1と2の「解決案」について速やかに組合にメールで示すこと。

対立・紛争を話し合い(交渉)で解決する気がないなら、それを明確にお示しください。上記1と2に対する合理的な回答がない場合は、事実上の団体交渉拒否と解するしかありません。何らかの「解決」を考えておられるなら誠実な姿勢とともに「解決案」の提示をお願いします。

団交の期日の目途  2021年5月15日までを目処とする
(候補日時の候補を3つ提起してください。こちらで調整します)

場所  前回と同じ
出席者
組合側:組合側:当組合組合員および当該組合員、若干名
法人側:法人側:貴法人またはその委任を受けた、当事者能力ある任意の人格と員数

これに対し、4月29日(木)に次のような回答がありました。

特定非営利活動法人京都暮らし応援ネットワーク理事の関根です。

私は、代表理事及び理事会から、本件交渉に必要な権限をすべて委任されました。本件に関しては、今後は私にご連絡ください。

団体交渉の日程についてですが、ご指定の期間では、出席する予定の理事と調整がつきませんでした。申し訳ありませんが、5月20日以降で再度調整をさせてください。

なお、申入書に対して、以下の通り回答します。
1,引き続き、当法人及び理事会の立場を代表するものが出席します。
2,当法人からのご提案は、代表理事から3月11日にお送りしたメールの通りです。

以上、よろしくお願い申し上げます。

当組合は、5月4日(火)に、次のメールを関根氏に送りました(明白な誤字の修正をしました)。

貴法人で事務員として勤務していたA氏に関する団体交渉を申し入れます。

従来から申し入れている通り、今後、A組合員にかかわる地位・身分その他につきましては,貴法人と当労組の間の交渉において協議・決定していきますので、回答等はA組合員ではなく、当労組担当者までお願いいたします。

4月26日の団交申し入れに対して、理事の関根様から以下のような「回答」が来ました。

私は、代表理事及び理事会から、本件交渉に必要な権限をすべて委任されました。本件に関しては、今後は私にご連絡ください。

団体交渉の日程についてですが、ご指定の期間では、出席する予定の理事と調整がつきませんでした。申し訳ありませんが、5月20日以降で再度調整をさせてください。

なお、申入書に対して、以下の通り回答します。

1,引き続き、当法人及び理事会の立場を代表するものが出席します。
2,当法人からのご提案は、代表理事から3月11日にお送りしたメールの通りです。
以上、よろしくお願い申し上げます。

「1」     について
組合側が「1 実質的な団体交渉に応じること、および藤代表理事・山上副代表理事が組合に対して示した解決の方向に反対している理事が必ず出席すること」と求めたことに対して「引き続き、当法人及び理事会の立場を代表するものが出席します。」と答えるのは、これまでの団交の実態を無視した的外れな回答です。団交の場で、ある意味、組織の代表として決断できる当事者能力がない(不足している)者が出てきて、団交の場で決定できなくなっているのです。そのために「反対をしている理事が出るように」求め、それによって団交の場で実質的に話せることを求めたのです。

ところが今回の回答では引き続き今までと同じメンバーが出てくることを正当化していて、実質交渉を進める改善の努力が見られません。必ずこれまでと異なるメンバーも参加するようにしてください。そうしないとこれまでのような空洞化した団交になります。誠実に対応してください。

「2」について
組合側が「2 関西非正規等労働組合が求める「謝罪と従業員への経緯説明・解決のための金銭的補償」に対して、京都暮らし応援ネットワークとして、こういう内容(レベル)なら提起できるという「謝罪と経緯説明の文案、金銭的補償についての案」(解決案)を持ってくること。」ともとめたことに対して、「当法人からのご提案は、代表理事から3月11日にお送りしたメールの通りです。」というのは、回答になっていません。

それは謝罪も解決金もカンパという形態での金銭的補償も一切しないというものであったので団交の場の話しあいの積み重ねを無視した「解決を目指さないというゼロ回答」だったからです。それを維持するということは、今回我々組合側が妥協的に求めた「京都暮らし応援ネットワークとして、こういう内容(レベル)なら提起できるという「謝罪と経緯説明の文案、金銭的補償についての案」を出してほしいという要求にこたえたことになっていません。貴団体が提案できる「解決に向けての案はない」と宣言されているからです。

非常にふざけた態度で、もともと弱者の人権を守るために努力していこうという趣旨で集まった貴団体として、組織の目標に反した恥ずべき対応と思います。

もう一度原点に戻ってひとりの人間として考えてください。A組合員だけが100%悪くて、罰して苦しめてやるのがAのために良い、「京都暮らし応援ネットワークの理事の対応には100%問題がなかった」と言い張るのでしょうか。調整が不十分で、A組合員のメールに返事もなかったのに懲戒をちらつかせる文書を正当な根拠なく出したような、誤った態度を『間違っていない』と言い続けるのは、弁護士もいる理事会として恥を感じないのでしょうか。A組合員をどういう目線で処罰しようとしているのでしょうか。あなたたちは自分たちにも不十分なところがあったので、妥協して解決しようという謙虚さを持てないのでしょうか。

私たちは理事の方々個人がこれまで立派な実践を積み重ねられてきた人だということを知っています。にもかかわらず、いったん組織となって守勢に立った時に、A組合員とH氏のコンフリクトも含めてどういう解決を目指すのか、誠実に努力することを放棄し、「Aは許せない。絶対に1ミリたりとも譲るな」という態度で対決だけを目指すのは、まともな対応でしょうか。人間としての器の小ささを感じます。今からでも理事内で話し合って、誠実に「解決に向けた妥協案」を考えてください。ゼロ回答で謝罪もしないし、関係者皆に真実も説明しないし、A組合員に1円も払わないというような「解決する気はない」と宣言することを続けるのはやめてください。

「3」について
組合側が「3  上記1と2の「解決案」について速やかに組合にメールで示すこと。」というように団交より先に文書で回答を具体的に求めたところ、上記のように、新しい実質的な解決案を出す気はない、というスタンスなので、何も出さないという回答でした。

以上全体を通じて言えることは、貴団体理事会は、時間だけを引き延ばして一切解決を目指さないという態度をとっておられるということです。一応形式的には団交を受ける→労組に対して妥協案的な雰囲気を示す→理事会で反対があったのでゼロ回答ですと答える→でも次の団交は受けます、となりその後も団交を受けるものの、その中での話を無視してゼロ回答のままを繰り返すというスタンスをとっておられます。これでは解決には至らないし、誠実な態度とも言えません。

確かに、全従業員に通知する文書において、一定の事実を組合が求めるレベルまで全部提示するという約束や、これこれの額の解決金を支払うとの約束には至っていませんが、第2回団交では、A組合員に対して懲戒をにおわすような文書を出したことなどの不手際などについて問題(理事会のまちがった対応)があったのだから、A組合員がH氏からのハラスメントの訴えを受けた理事会から出勤調整をされて懲戒処分の通告を受けて辞めざるを得なくなったという事実経過などを記述することを、理事会側のできる範囲でうまくA組合員の名誉も守られるような形で文書化するよう提案し、解決に向けた機会を与えました。それに沿って努力するということだったのに、出てきた文書はふざけた内容で、解決を目指して努力するのではなく、木で鼻をくくったような内容で100%対決する姿勢が出されただけでした。失望しました。

また第3回団交では、こうした経緯の確認のうえで、名称は和解金や解決金ではないものの、この状況を解決し終了していくために、理事からのカンパを集めて提供することでの和解の方向もありうるということで、話し合いがなされました。にもかかわらず、その後、個人のカンパという形でも金銭的な支払いは一切しないという回答となって、団交で追及された「解決への努力の妥協方向」がまたもや反故にされました。

団交での解決に向けた努力をするという約束を反故にするということは、組合軽視の支配介入であるとともに、誠実に団体交渉を受けていないということでもあり、看過することはできません。

理事の方々個々人にはいろいろな思いがありながら、組織としては強硬に対決する路線の方の意見が通っているのだと想像しています。先にも書きましたが人権の運動や社会運動をしていても、組織としてこういう態度をとられてしまうと、自分の立場からしかものを見ない一面性を感じます。相手の立場も考えて、妥協点を探そうとしたのに、なさけないです。

今一度個人に立ち戻ったうえで、理事会として話し合って、「何らかの解決案」を提示していただきたく思います。それがないと話しあい(団交)自体ができません。理事の方々個人の良心に期待します。

団交に向けて、まず以上の組合側の見解に対して誠実にお答えください。「何らかの解決案」が出たところで団交を持ちたいと思っていますので、早急に回答をお願いします。

団交の期日  解決案が出た段階で速やかに調整
場所  前回と同じ
出席者
組合側:組合側:当組合組合員および当該組合員、若干名
法人側:法人側:貴法人またはその委任を受けた、当事者能力ある任意の人格と員数

これに対し、5月9日(日)に、次のような回答がありました。

特定非営利活動法人京都暮らし応援ネットワーク理事の関根です。

当法人の見解およびご提案は、従前からお示ししてきたとおりです。

お申し入れへの回答としては以上です。

最新の状況の報告でした。

 

 

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