A君が不当に逮捕されるまでの詳しい経緯
関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち
2009年12月19日
大阪府柏原市での生活保護申請をめぐり、組合員のA君が不当逮捕・起訴されてしまいました。
この件に関し、多くの方々からご注目とご支援をいただいており、大変感謝をしております。いまだ不当に拘束されているA君も、皆様からのメッセージを読み大いに励まされています。
本当にありがとうございます。
さてこの間、支援上の都合により、逮捕されるまでの経緯を大まかにしか伝えてきませんでした。諸般の事情があったとはいえ、カンパなどのご支援を求めながら不十分な説明しかしてこなかったことを、まずお詫びします。そしてこの度、お伝えできる準備が整ったので、詳しい経緯の説明をすることにいたします。
◆逮捕に至る経緯
不当解雇にあい組合に加入したA君は、なかなか生活を安定させることができず生活保護の申請に至ります。まず2009年2月から就労自立する5月までの間、保護を受給していました。メンタル的な問題で就労が困難になり7月に退職、その後また生活に困り、8月3日、柏原市福祉事務所に対し保護の申請をします。しかし8月14日、申請は却下されてしまいました。大阪法務局に存在する供託金を活用すれば生活することが可能であるというのが、その理由です。
前回の受給期間中、A君は福祉事務所から自分名義の預貯金があることを知らされます。この貯金は、3年以上も音信不通であったお母さんが、生後間もない頃から積み立てていたものでした。保護申請時に、初めて親が自分名義の貯金をしていたことを知る人は多いです。貯金をそのままにしておけば保護が廃止になると考えたA君は、周囲に相談し、自分のものではないことを証明するため供託にします。その結果、就労自立するまで保護は廃止されませんでした。しかし、なぜか8月14日付の申請は却下されてしまいます。自分の所有する資産でないことを法的に証明し、福祉事務所も一度それを認めていたにも関わらずです。決定に疑問を持ったA君は、同日付で再申請と審査請求を行います。その後お母さんと何とか連絡が取れたので、供託金を引き出してもらい、8月18日に再度申請をしにいきました。14日の時点では供託金が存在していたので、同じ条件で審査されたら却下されると考えたからです。すでに本などを売りながら食費などをまかなっていたA君は、14日の結果を待ってから再申請していたのでは生活が持たないと焦っていました。
しかし柏原市福祉事務所の職員は、申請書をなかなか受け取ろうとしませんでした。これは申請権の侵害です。14日の却下など、保護申請手続きの不透明なあり方に不安を覚えていたA君は、証拠保全のためにビデオを回し「公務員でしょ。申請させてください。ちゃんと対応してください」「生存権を保障してください」「ユニオンチューブ(労働組合の動画サイト)っていうのがあるんですよ」と抗議しました。抗議を受けた職員は、即座に警察を呼び被害届を出します。それに対してA君はユニオンぼちぼちの組合員に電話をし、第三者が間に入ることで職員も誠実に話を聞くようになりました。そして翌日、A君が14日付の申請の取り下げと再申請を行った結果、8月31日に保護決定がなされます。
決定前の27日に、組合員が同行して福祉事務所を訪れた際、職員は被害届の取り下げを検討する旨を伝えていました。また無事に保護決定がなされたこともあり、取り下げは行われたものだと判断していました。しかし福祉事務所は、A君の言動が脅迫的な行為にあたるということで「職務強要罪」で刑事告訴をしていたのです。その結果、約2ヶ月半後の10月27日、A君は逮捕され、11月16日に起訴されてしまいました。
起訴状では、「保護開始申請書の受理及び保護決定の処分をさせるために脅迫を加えたもの」とされています。しかし、申請書の受理は法律で定められた義務です。また保護は逮捕後も廃止されておらず、不当な決定はなかったと福祉事務所自体が認めています。もちろん撮影された映像の公表もされていません。
こうした不当な逮捕にも関わらず、起訴をされ、保釈請求も却下され、50日以上にもわたる身体拘束が続いています。
本来、保護利用者の自立を援助しなければならない福祉事務所職員が、安易に解決を警察に委ねた結果、A君の人生が狂わされそうになっているのです。
皆様、どうかA君の早期保釈と無罪を勝ち取るため、ご支援いただけるようお願い申し上げます。
追記:
1)A君の保釈申請却下に対する準抗告を12月11日付けで行いましたが、裁判所は即日却下をしました。理由は、罪証隠滅と証人威迫という一般的なものです。保釈されないため、生活保護は停止され、職業訓練校も辞めざるをえなくなっています。拘置所生活自体、過酷なものです。私たちは個別性を考慮せず機械的に身体拘束を続ける、つまり人権侵害を行い続ける裁判所に、強く抗議したいと思います。
2)職業訓練校からの退校命令が、A君のもとへ来てしまいました。「正当な理由なく全課程2割以上の欠席」をした、というのが理由です。これとともに、緊急人材育成・就職支援基金よる訓練・生活支援給付の受給権も失います。欠席は、警察・裁判所による不当な身体拘束にるものです。私たちは裁判所に対し、即時釈放と人権の回復を求めます。
◆◆カンパのお願い◆◆
A君の救援活動と無罪を勝ち取るためのカンパを、ぜひお願いいたします。
【カンパ振込先】
・郵便振替 00900-8-263985 加入者名 ユニオンぼちぼち
・銀行から振り込みする場合
ゆうちょ銀行 店名 四四八(ヨンヨンハチ)/店番 448/預金種目 普通
口座番号 4918176
・上記ゆうちょ銀行の口座へ郵便局の口座から振込みする場合
記号14440/番号49181761
名義ユニオンぼちぼち
*通信欄に「A君」と記して下さるか、口座間の都合でそれが出来なかった方は下記アドレスまでメールを下さい。よろしくお願いいたします。
hogohiwoagero(at)yahoo.co.jp ((at)を@に書きかえてお送りください。)
映像はどちらでしょうか。