月別アーカイブ: 2009年7月

「5年でくび」は許されるのか?

この企画は、相当おもしろくなると思います。
脇田滋 x くびくび
– 「5年でくび」は許されるのか?
灼熱のトークセッション!

7月27日(月)夕方、京大にて、
脇田滋先生(龍谷大教授・労働法)にくびくびカフェの2人が5年条項、非正規雇用、労働法について様々な疑問をききまくる!
こんな疑問:
・五年条項は違法?
・期待権とは何?
・契約とは何?(納得してサインしただろ問題)
・くびくびは裁判(地位確認訴訟)に勝てる?
・同一価値労働同一賃金(ペイエクイティー)とは何?
・なぜ日本の非正規はこんなにしいたげられているのか?
・正規職とは利益相反?
・派遣と非常勤、どう連帯する?
日時:7月27日(月)夕方6時~
場所:京大文学部新館3講(京大本部構内の真ん中あたり)
入場料・資料代:カンパ
主催:京都大学時間雇用職員組合ユニオンエクスタシー
脇田滋さん
龍谷大学法学部教授(労働法、社会保障法)。1948年大阪市生まれ。京大法。
著書に『労働法を考える』『労働法の規制緩和と公正雇用保障』『派遣・契約社員働き方のルール』など多数。
インターネットで「派遣労働者の悩み110番」にとりくむ。また、有期(期限付き)雇用問題のページを開設。
この21世紀のできるだけ早い時期に、労働法と社会保障法のルネッサンスが実現できればと思っています。

シンポジウム「安心社会の設計図を描く」

ユニオンぼちぼち組合員の伊田広行さんが司会をするそうです。
以下案内 転送歓迎
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シンポジウム「安心社会の設計図を描く」
――上野千鶴子・辻元清美『世代間連帯』出版記念シンポジウム――

7月30日(木)夜7時~8時20分
パネリスト
湯浅誠(もやい事務局長)
辻元清美(衆議院議員)
上野千鶴子(東京大学大学院教授)
辻元清美・上野千鶴子共著の岩波新書『世代間連帯』(7月22日発売)出版を記念してシンポジウムを行います。NPO法人「もやい」の湯浅誠さんも交えて、どの世代も安心して暮らせる社会の設計図をつくるために、何が必要かを語っていただきます。
「弱者のあいだにくさびをうちこんで、互いにいがませあうのは分断支配の定石だ。ロスジェネの男性が『負け犬』の女性を、行き場のない若者がホームレスの中年を、孤立した青年が罪のない子どもたちを、派遣切りの男性が無防備な人々への無差別な攻撃を加えるこの負の連鎖を、なんとかして断ち切りたい・・・私と辻元さんの思いは同じだった」(上野千鶴子氏 本書あとがきより)
入場無料
保育あります(年齢制限はありません。ご予約ください)
筆記通訳あります。
会場:高槻現代劇場中ホール
アクセス↓〔阪急高槻駅から徒歩〕
http://www.city.takatsuki.osaka.jp/bunka/theater/cs/access.html
主催:つじともネット
★要予約
tel:072-685-0714
e-mail: info@kiyomi.gr.jp (すみませんがこれをコピーしてください)
件名に7・30予約と書いてください)

ユニオンエクスタシーの提訴への賛同メッセージ

「5年でクビ」条項をめぐって京大を提訴した
ユニオン・エクスタシーへの
ユニオンぼちぼちから賛同のメッセージです。

東京大学職員組合の「5年問題」への抗議活動については、小林拓矢さんによる「法人化が招いた雇い止め――仕事も予算もあるのに『期限だから』」『週刊金曜日』(7月3日号)という記事で読むことができます。
―――
ユニオン・エクスタシーのみなさん
関西非正規等労働組合・ユニオンぼちぼちは、あなた方の提訴を支持します。
京都大学ほか様々な教育機関が導入している「3年ルール」や「5年ルール」は、1年契約の更新回数の上限を定め、機械的にクビにしていく非人間的で不合理な制度です。
有期雇用は本来、期限の定めのある臨時的な仕事に対して設けられるべき雇用形態です。しかし現在は臨時的でない仕事に対しても、単に解雇をしやすいというだけで適用され、仕事はあるのに労働者がどんどん入れ替えられるという脱法的な雇用のあり方が蔓延しています。
こうしたなか、多くの労働者の闘いによって、一定程度の更新があれば雇用継続に対する「期待権」が発生し、有期雇用契約であっても「期限の定めのない雇用」としてみなされるという判例が積み上げられてきました。
この「有期雇用の更新年限」というものは、そうした判例を骨抜きにし、弱い者の力をさらに弱める非常に問題のある制度です。
ユニオンぼちぼちは、更新年限制度を許しません。
また、こうした制度が大学で率先して導入されていることを、学生・大学院生の組合員がいるユニオンとして看過できません。
大学は、学生や院生に「うちに来れば条件のいいところに就職できる」といった甘言を弄する一方、脱法的な雇用形態を生み出して労働条件全体の地盤沈下を促進させるという恥知らずな「経営手法」をとってきました。
それに対し私たちユニオンぼちぼちは、立命館分会を立ち上げるなど、大学の職場と経営のあり方を問うてきています。
しかし、人道的にも労働現場のあり方としても問題の多い制度を、多くの大学は手放そうとしていないのが現状です。
今回のユニオン・エクスタシーの提訴は、現在の歪んだ雇用のあり方を正す大きな一歩になることでしょう。
ぼちぼちは、エクスタシーの提訴を応援します。

フリーター労組の生存ハンドブック

フリーター全般労働組合の仲間たちが本を出します!
http://d.hatena.ne.jp/spiders_nest/20090704
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  「フリーター労組の生存ハンドブック
   ~つながる、変える、世界をつくる」

    清水直子・園良太 編著
     /フリーター全般労働組合組合員ほか執筆 
    イラスト&デザイン:いのうえしんぢ
    7月21日発売予定 定価1450円+税
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働ききれない者たちの失楽園

6月29日に行われた就職ガイダンス番外編 第一回「そこそこ働いて生きてきた~労働に関する法律のツボ~」の報告です。
「働ききれない者たちの失楽園――京都精華大学「ぼちぼち働いて生きてきた」労働法講座の記録」
昨年から京都精華大学・社会学研究会が主催して、大学の就活支援に対抗し、独自の就職・労働講座を設けています。どの大学も正規雇用での就職活動を学生に薦めます。でも日本経済を回しているのはいまや非正規雇用。学生の多くも派遣社員、契約社員、嘱託社員、パートタイマーといった働き方をしていきます。でも大学はそんな働き方については教えてくれません。そこで学生たちは立ち上がりました。昨年は、労働問題に直面したときの対処法と、生活保護の取得法を車座で話しました。今年も継続して、就職活動をしなかった詩人、高学歴貧困者の労働組合員を招き、「ぼちぼち働いて生きてきた」二人の話を聞くことで、非正規雇用で生きていく生活のモデルやヒントを探ろうという趣旨です。
まず社会学研究会の学生の変化に驚きました。彼らは一年間でずいぶんと年を取り疲弊していのです。みんな四回生になって、就職活動に直面したり、しきれなかったりしていた。いろんな活動をしてきた彼らにとってさえ、就活は苦しい。そんな彼らの顔に刻まれた年輪を見ながら、昨年同様に作られた無料カレーを、雨の中でさっそく食べました。美味でした。図書館前で行われる予定が雨のために場所を変更して、スクールバスの停留所前(なんと学生課事務室前)へ。畳が敷かれ、カレーの匂いがただよい、ワインとビールが振舞われるなか、のべ20人くらいの人を前に(バス待ちの学生・教職員をふくめたらとんでもない数)講座は行われました。
詩人・良心的就職拒否者の竹村正人は、正規雇用の就職にはモデルがあるけれどマイノリティ(就職拒否者)にはモデルがないと語る。就職活動期間中は同世代の友人たちから強い圧力を受けた。しかし年上の非正規雇用者たちから多くを学んだ。いまの職業は詩人と障害者ヘルパー。詩集を作り、詩を朗読し、詩によって人と繋がる。詩こそが社会的協働のモデルなのだと、その場で安里健の詩を朗読。安里の『私の履歴書』は履歴書の項目にすべて「うんこ」と答える詩。雨の中スクールバスにのった人達が連呼される「うんこ」の音に耳をすませていた。日ごろ圧迫感を与えられる履歴書がとても軽く豊かなものになる経験を、詩の朗読によって共有した。
高学歴貧困者・労働組合員の高橋慎一は、かつて某テレビ局「高学歴ワーキングプア」特集の取材を受けた。しかし楽しく生活しているので一般の共感を呼び難いと言われる。マスメディアには決して映らない、貧困だけどほどほどに楽しく生きて貧困問題を批判している人たち。高橋もその一人。違法日雇バイトで疲れはて大学院へ。組合活動をへて理不尽な上司の下で怒鳴られる抑圧経験から解放。立命館大学の雇用問題から、近畿地域の企業との争議へ。「労働組合は労使の格差を調整する機能をもつ。会社から不利益を受けることなく会社と交渉できる。職場で何かおかしいと感じたら法律的にも何かある場合が多い。職場での違和感や直感を手放さないでください」と呼びかけた。
スクールバスの待合ベンチや畳に座る参加者からは口々に意見が出てきました。
「私はこの大学の非常勤講師です。今日ちょうど授業で、社会が個人化される傾向について話しました。今日のお話は集団で集まることの力を肯定するものだったと思いますが、集団への忌避感を超えてどんな集まり方がありうるのか。」「おれは学生です。働きたくない。横ですごく働いている奴がいるとこっちも働かないといけなくなる。横でぜんぜん働いてない奴がいるとこんな奴と同じ給料かと思う。労働を拒否できたらこんな気持ちもなくなるのだろうか」。「あたしは非常勤の職員です。同じ職場にいて何か似たような違和感をもっているのに、皆ばらばらになっている。なぜなのかと思うのですが…。」「学生です。うちの父さんがいま大変で…」等など。
ワインとビールとカレーを飲み食べしながら、熱い意見交換が行われました。
昨年、僕は京都精華大学での講演の記録を「京都精華大学は楽園だった」と書きました。しかし今年の京都精華大学は「失楽園」に見えました。大人たちが言うように大学は大学外の圧力を遮断する面もあります。でもよく見たらそんなことはありません。大学の中では雇用問題が吹き荒れ、学生も教職員も永遠に続く就職活動の圧力に曝されています。労働や就職の現場において、個人の能力や責任を語る貧困な言葉に対抗するためには、この日のように、人が集まることの素晴らしさや難しさについてもっと考えなくてはいけないと思います。この場の暖かさに触れて、やはり楽園をいたるところに作り出す力を、精華大学の人たちは育んできたのだなと思いました。本当にお疲れ様でした。
(T)

ユニオンぼちぼちの最近の活動

ユニオンぼちぼちの近況です。
5月から大阪分会が中心になり、難波、日本橋、釜ヶ崎にかけて路上で寝泊りしている労働者に相談できるところがあることをお知らせする夜回りを始めました。まだ2回しか行っておりませんが、生活保護の申請・受給につながった方もいます。
また毎月第4土曜日に行っている定例カフェには、組合員のほか、ユニオンの活動に関心のある方々も参加し、交流をしています。
毎回みんなでご飯を作って食べているのですが、次回7月25日のメニューは「貧困に負けない自然食講座」になる予定です(担当者談)
そして中京区青少年活動センターさんと取り組んできたサロンが、「いろいろ話せるカフェ(はなカフェ)」に名前を変え、毎月第3木曜日19:00~20:30オープンになります。
もちろん労働相談、団体交渉も行っています。
[京都] 毎週土曜日 13:00~18:00 075-681-6904
[大阪] 毎週木曜日 12:00~17:00 06-6647-8278

(釜ヶ崎医療連絡会議の電話を借りています。「ユニオンぼちぼちに相談です」「労働相談です」と言っていただければ、ぼちぼちの担当者に代わります)