厚生労働省の開いてきた「今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会」の報告書ができたそうです。
その中の一部を引用します(強調は引用者)。
このような調査結果を踏まえ、先行研究では、本当に知識を必要としている人と実際に知っている人との間で「知識のミスマッチ」がある、との指摘がなされている。例えば学歴が高くない者や中小企業で働いている者あるいは卒業後の進路がフリーター又は未定である学生・生徒など、現在相対的に低い労働条件で働いていたり、将来的に相対的に低い労働条件になる可能性が高い人ほど、必要な知識を理解していない可能性が高いといった指摘である。
さらに、労働者の権利を「知っている」ことが権利を守るための「行動」に直結するとは限らないことも指摘されている。すなわち、労働者の権利が実際に守られるためには、法律で定められているだけではなく、まずは労働者自身が自分の権利について理解し、その上で権利を行使できなかった場合や不利益な取扱いを受けた際にそれが違法であることに気付き、さらに権利を行使する手段が活用できることが重要ではないかとの問題提起がなされ ている。
なお、先行研究では、労働者の権利を「知っている」ことが「行動」に直結するとは必ずしも言えないが、意識や考え方には影響を与えている可能性が高い点もあわせて指摘されている。例えば、労働者の権利を知っていることが、権利実現の意識を高め結果的に組合の必要性や組合支持を高めるのではないか、社会保障の必要性に関する意識を高めるのではないか、有給休暇に対する法知識が休日・休暇に対する満足度を高めるのではないか、といった指摘である。
◆今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会報告書
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/02/h0227-8.html
今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方については、「今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会(座長:佐藤博樹東京大学社会科学研究所教授)」において、平成20年8月より6回にわたって検討が行われてきたところであるが、今般、別添のとおり同研究会の報告書が取りまとめられたので公表する。
(別添)
・今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会報告書
1~9ページ(PDF:402KB)、 10~33ページ(PDF:443KB)、 全体版(PDF:732KB)
・参考資料集 全体版(PDF:4,549KB)