リバティおおさかで働く学芸員の組合である私たちは、週刊朝日による大阪市長であり日本維新の会の党首である橋下徹氏に関する報道について、連載の初回であり、今後の記事内容が不明ではあるものの、次のように考えます。
仮に今回の記事が、公人である橋下氏の人物像を深く掘り下げるという報道の意図があったとしても、市長は行政の施策によって、政治家は政策によって批判されるべきです。あるいは、市長、政治家としての振る舞いや人脈、金脈において批判されるべき存在です。被差別部落に本人やその家族が関わりを持つという社会的属性は、市長、政治家としての資質に何ら関係がありません。
今回のような報道が許されるのならば、今後、あらゆる被差別当事者を、本人の意思や努力とは全く関係のない事柄にもとづいて批判し、社会的な晒し者にすることを許すことにつながりかねません。それこそ、現在の日本社会でまかり通っている差別に他なりません。
今回の週刊朝日の報道は、部落差別をはじめとする、あらゆる差別を助長するものであると考え、抗議します。
第20回東九条マダンに出店します
☆今年も11月3日東九条マダンがあります☆
今年も、ぼちぼちカフェとしてマダンへお店を出します。
今年は第20回目ということで、マダン実行委員会のほうでもかなり気合いを入れて準備しています。秋はイベントが色々あって盛りだくさんでしょうが、ぜひ東九条マダンへも遊びにきて下さい。
☆第20回東九条マダン☆
日時:11月3日土曜日 10時から16時半くらいまで
(雨の場合、4日に順延になります。)
場所:元陶化小学校 (一昨年の会場と同じ、京都事務所の向かい側辺り)
ぼちぼちカフェ: ホットコーヒー 持ち寄りフリマ 労働相談
去年に続いて美味しいホットコーヒーを出したいと思っています。
マダン当日出店の手伝いをする方を募集中です。手伝いたい♪、手伝うよ☆、手伝ってもいいよ○、という方はぜひ、一緒にやりましょう。
マダンについては以下を参照下さい。
東九条マダンの公式ホームページ
http://www.h-madang.com/
「反貧困フェスタやねん!!」にお越し下さい。
11月3日の労働相談(京都)について
11月3日(土)は事務所のある地域の多文化共生のお祭り「東九条マダン」に参加のため、京都事務所での電話相談はお休みします。以下のメールフォームからの受付は随時しておりますので、そちらをご利用ください。
http://rootless.org/botiboti/mailform.php
なお、会場の旧陶化小学校は、組合の事務所のすぐ南側。ぼちぼちはコーヒーの出店をやります。面接での労働相談はそちらで受け付けておりますので、よろしかったらお祭り参加とともに、そちらをご利用ください。
10月学習会のお知らせ
秋めいてきましたね。
直前になりましたが、10月学習会のお知らせをします。
10月学習会は「まめもやし」の会食に参加させていただくことになりました。
10月19日金曜日
10時から15時くらいまでです。
※10月19日(金)9時45分に地下鉄十条駅にて集まり、みんなで会場まで移動します
会食の手伝いをしたあと、まめもやしの村木さんからお話してもらいます。
解散予定15時くらい。(途中退席は可能です)
・参加申し込み〆切は10月11日(木)です。
・一緒に昼食をいただくので、実費300円は個人で負担をお願いします。
・学習会の企画なので、組合員には交通費は出ます。
10月の学習会は、京都事務所のある東九条地域を知るためのフィールドワークをおこなうという予定になっていました。フィールドワークといえば、地域を歩きまわって話をきくというイメージですが、今回は、NPO法人まめもやしの方たちが開催している市営住宅での会食に参加させていただくという形にしました。
東九条は、在日コリアンの多い町です。東九条地域で劣悪な環境で暮らさざるを得なかった方たちが入居した市営住宅にある集会所で、定期的におこなわれているこの会食では、いまの東九条を少し歩いただけでは知ることのできない、東九条で暮らしてきた高齢者の方たちの声が、少しでも聞けるかもしれないと思って、企画しました。
※参加申し込み〆切、10月11日(木)です。
会場の都合で、少人数しか受け入れできず、事前に申し込む必要があるので、〆切は厳守でお願いします。
また、事前学習をしてから来てほしいとのことなので、事前学習会を設定しました。
10月13日(土曜日)18時から京都事務所です。
もちろん、こちらだけの参加も歓迎です。また、この日に来れなくても、当日の会食に参加したいという方には、別途対応します。
締め切り直前のお知らせになり申し訳ないです。行きたいという方はご連絡下さい。
お待ちしてます。
10月20日(土)は定期大会なので労働相談をお休みします
10月20日(土)はユニオンぼちぼちの定期大会が開かれるため、京都事務所での労働相談はお休みします。以下のメールフォームからの受付は随時しておりますので、そちらをご利用ください。
http://rootless.org/botiboti/mailform.php
権利と聞いて何をイメージしますか?
ユニオンぼちぼち リバティ分会(大阪人権博物館学芸課・教育普及課分会)
https://twitter.com/union_liberty
権利と聞いて何をイメージしますか?
来館者にこの質問をすると、その答えからはいくつかの傾向がみえてきます。
大人では、「人が生まれながらにもつ権利」や「人が人として生きる大切なもの」など権利そのものの特徴をあらわしたような答えや、「選挙権、生存権、肖像権、財産権」などといった個別の権利について書いてくれる人が多い感じです。
またどうしてか、一定数の人が「義務」と書くのも大人によくみられる傾向となっています。
では、子どもはどうか。「みんなが持っている権利」「人がその人らしく生きられる権利」などは大人と同じですが、「いじめ」や「差別」と書く子どもたちが少なからずいるのが大きな特徴です。
次に、今まで受けてきた人権教育、人権啓発の内容について質問します。
被差別部落、在日コリアン、アイヌ民族、障害者、パワーハラスメント・セクシュアルハラスメント、ジェンダー、人種差別など、その特徴は個別の差別問題があげられることです。
これを受けて、①権利について書いた答えが、抽象的、具体的どちらだったか、②同じく、自分の生活に身近なものと感じるか、そうではないか、③受けてきた人権教育・人権啓発に「働く権利」と書いた人はいるか、とさらに質問を繰り返していきます。
権利に対して抱いているイメージが抽象的か具体的かについては、そのおよそ7割が抽象的だったと答えてくれます。身近かどうかについても、6~7割程度が「身近ではない」に手を挙げます。
受けてきた人権教育・人権啓発を数多く書いてくれる人も中にはいるのですが、「働く権利」と書く人はほとんどいません。子どもでは皆無です。
この質問を考えたときに想像していた通りの結果にはなっているのですが、これが現状です。日本社会で権利がどのように受けとめられているかがよく分かりますし、状況はかなり深刻ではないかと感じています。
人権のイメージが抽象的で自分に身近なものとは感じていないのですから、これではなかなか自分が人権をもっていると実感することはできません。まさに人権は、特別な場で特別な時間に学ぶものになってしまっています。
最後に、「人権は誰のものですか?」と聞くと、多くの人は「全ての人のもの」と答えます。なのに、人権について繰り返し聞いたこれらの質問を考えるとき、自分に関わる質問だと感じながら考える人は多くないようです。「みんなのもの」なのに、そこに自分はいないのでしょうか。
なぜこのような現状になっているのか。その問題を考えるとき、従来おこなわれてきた人権教育や啓発の問題を考えざるを得ません。
質問に対する答えにも書いたように、人権教育や啓発でおこなわれている大半は、個別の差別問題に対する学習になっています。リバティに来館する団体が学芸員の解説で希望するテーマも、やはり多くは部落問題や在日コリアン、障害者の問題などになっています。
もちろんこれらの問題も、被差別者の立場以外の人にこそ、自分自身が問われている問題だと考えて欲しいと思っています。しかし、リバティに来る子どもたちを見ていると、人権学習は固くて、重くて、面白くない、自分とは関係ないものだと感じていることがよく分かります。
人権のイメージを聞かれて、「差別」と書くのも、人権学習は差別を受けて困っている人の話だと思っていることが影響しているのかもしれません。
このような意識を変えていくためにこそ、労働に関する問題と働く権利の話を伝えていくことが必要だと思っています。
若者が使い捨てにされるような労働環境が広がっており、非正規雇用の増加や正社員との収入格差、残業代の未払いや長時間労働の強制、違法な解雇の横行など、問題は深刻化する一方です。
これらの問題が若者に広がっているのですから、高校生や中学生にとっても他人事ではありません。何人かの生徒は顔を上げて、話を聞いてくれるようになります。
労働に関する厳しい状況を伝えていきますが、大事なのは、それが権利の侵害であると気づくこと、その前提として、働く権利の内容を知っておくことが必要です。そうでなければ、権利の侵害であると気づくことすらできなくなってしまいます。
残業や深夜労働の割増賃金のことや有給休暇、解雇予告手当など、生徒たちには初耳の情報ですが、中には熱心にメモを取りながら聞いてくれる人もいます。「僕らはそういう権利を持っている!!」と力強く書いてくれた生徒もいました。
これらの労働条件に関する基準は労働基準法に書かれていることも、合わせて解説しています。抽象的にイメージされがちな人権ですが、賃金など生活していくためにとても大切な基準が法律に書かれており、労働者が具体的に権利をもっていることを意識してほしいからです。
厳しい労働環境、労働者がもっている権利とともに、もう一つ伝えているのが権利を守るために活動している人の実例です。
紹介しているのは、メイド喫茶でアルバイトとして働いていた女性が、メールひとつで「今月いっぱいの契約とする」と解雇されたことに対し、裁判を起こして、解雇予告手当に相当する額を支払うという条件で和解したことを伝える新聞記事です。
提訴した女性は、インターネットをもとに訴状を一人で書き上げたそうです。大人向けの研修でこの記事を紹介したとき、ある参加者が「すげぇ」という感想を思わずもらしていました。
人権侵害に声をあげても、確かに放置されるままになってしまうことも少なくありません。また、一人ひとりが社会に関わり、社会を変えていく当事者であるという実感が弱いとき、このような状況はますます悪化していきそうです。声をあげていくのは、確かに難しいです。
であるからこそ、権利侵害に異議を唱え、自分がもつ権利の一つをしっかりと守る
ことができた実際の取り組みを伝えたいんです。権利が自分を守り、社会を変えていくための武器となっていることを実感してもらいたいという思いで話をしています。
「子どもに夢や希望を与える展示になっていない」と大阪市長から言われたリバティの展示ですが、学芸員である私たちなりに希望を伝えているつもりです。それは、組合を立ち上げた私たちだからこそ、何よりも大事にしたいと思っている「希望」です。
9月22日(土)は定例カフェと大会議案書発送作業
9月22日(土)は12時から大会議案書発送作業、17時頃から定例カフェをします。お時間のある方はご協力ください。カフェのメニューはお好み焼きです。どちらも京都事務所です。
なお、組合員にはどちらも交通費が出ます。
次回手芸学習会のお知らせ
次回手芸学習会のお知らせです。
9月20日(木)15時~18時まで。ぼちぼち京都事務所にて行います。
※いつもより1時間遅めの開始となっています。ご注意ください。
手芸学習会はゆるゆるとした集まりですので、どなたでもお気軽にご参加ください。
なお、ぼちぼち組合員には交通費が支給されます。
リバティおおさか「働く権利」のコーナーについて
こんにちは
リバティおおさかの「働く権利」のコーナーについて、職員の方の思いです。
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2005年から2010年にかけて、大阪人権博物館(リバティおおさか)の総合展示(常設展示)には「働く権利」を取り上げたコーナーがありました。
これは「人権の現在」というタイトルで常設展示室の一番最初にきていたコーナーのなかにありました。1995年から10年続いた常設展示を新しくしよう、という計画が持ち上がり、その計画を立てていくなかで、私たちは「人権」を正面から取り上げたコーナーが必要だと考えました。「人権」というと言葉では「すべての人が生まれながらに持っている大切な権利」というように言われますが、実際には「人権」は差別されている少数の人だけの問題で、「自分とは関係ない」そんな風に受け取られがちです。だからこそ、「人権」が自分自身を含めたすべての人の問題だと気づいてもらうために、「人権」「権利」を軸にしたコーナーを一番最初につくろうと考えたのです。
「人権」「権利」をすべての人に関わる問題だと気づいてもらうには、すべての人に身近なことを入り口にしないといけません。そこで、色々と考えて行き着いたのが、「働くこと」と「学ぶこと」。「働く」「学ぶ」ということは、すべての人に関わることです。働く権利・学ぶ権利は日本国憲法26条・27条にはっきりと「権利」として書かれています。
しかし、私たちの社会には学ぶこと・働くこと、この基本的な権利が守られていない場面がいくつもあります。そこで、この2つのテーマから人権について考えるコーナーをつくりました。
私たちの権利は法に明記されることで具体化します。私自身もそうですが、実際に働いている人でも、「労働基準法」などの法律を読んだことのある人はあまり多くないと思います。そこで、展示ケースの最上段には、労働に関する法律から、いくつかをピックアップしてデザインしました。
そして、雇用や労働環境、過労死や外国籍の労働者、パート・アルバイトなど非正規雇用の問題などいくつかの問題を取り上げ、現状を表すグラフと、それに対して声を上げ「権利」回復のためにたたかっている人の資料を展示しました。
取材のなかでは、命を落とすまで働かされる労働の現状や、都合よく安価で働かされて切りすてられる外国籍の労働者のことなど、耳を疑うような話をいくつも聞きました。こうした現状を知ってもらい、これが当たり前なのではなく「権利」の侵害だということに気づいてもらいたいと思って展示をつくっていきました。
実は、この展示にはやり残したことがありました。2005年からのリニューアルに向けて、展示の準備や取材、調査をしていたのは2004年から5年にかけてのことでした。
その間、労働者派遣法が「改正」され、派遣期間制限が「緩和」されたり、製造業務への派遣が認められたのです。しかし、恥ずかしながら展示準備をしていた時には、この問題の大きさに気付くことができませんでした。その後、浮上した労働をめぐる問題の数々は周知の通りです。
当時、常設展示は5年ごとにリニューアルすることになっていました。そこで、次のリニューアルの機会がきたら、労働者派遣法の問題やワーキングプアの問題など、もっと先鋭化した労働をめぐる問題をきちんと取り上げた展示にしようと話し合っていたところでした。
また、「権利」という意味では、もっと根本的な「生存権」が脅かされつつある現在、「生きる権利」もとりあげなければ、という話も担当者どうしでしていたのでした。
ところが、2010年度に新しくなった常設展示は当初私たちが計画していたものとは異なったものになってしまいました。これまでの展示が「難しい」から、「子どもむけ」にしてほしいという大阪府からの強い要望もあり、議論を重ねるなかで「人権」を取り上げたコーナーはなくさざるをえなくなりました。
今の社会はどうしたわけか「権利」を主張することが悪いことのようにいわれてしまったりします。「人権」を侵害されていることが、「自己責任」のようにいわれることもあります。本当に助けを求めている人が、助けを求めたり、そうした社会や政治に異議を申し立てることがいけないことのような風潮になってきているように感じます。
そうじゃない、「人権侵害」はあきらめるほかないことではなく、「権利」を主張することは当たり前のことなんだということを多くの人が知る場所。大阪人権博物館はそういう施設だと考えています。だから、こんな時代だからこそ、大阪人権博物館は必要なんだと思います。
大阪人権博物館の展示が「差別や人権に特化されていて、子どもが夢や希望を抱ける展示になっていない。僕の考えに合わない」といって、大阪府・大阪市は補助金の廃止の方針を一方的にうちだしてきました。このままでは、大阪人権博物館の存続が難しくなってしまいます。
しかし、「人権」「権利」を主張することが煙たがられ、抹殺されようとしている時代は、権力によって「人権」「権利」が大きく侵害されようとしている時代と言えると思います。
大阪人権博物館に「働く権利」のコーナーはなくなりました。そして今、自分たちは多くの来館者に発信してきたように、私たち自身の「働く」という「権利」を守るために声をあげることにしました。
私たちは自分たちの権利を守るとともに、こうした「人権」を軽視する時代にNoと言っていきたいと思います。
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■ユニオンぼちぼち リバティ分会 https://twitter.com/union_liberty
■リバティおおさかを応援する!「リバティおおさかの誤解にお答え!」
http://blog.zaq.ne.jp/20120529r/article/34/
■リバティおおさか全国ネット「リバティおおさか存続のための署名活動」
http://ameblo.jp/libertyouen/entry-11347613398.html