大飯原発の再稼働問題が厳しい局面に入りつつあります。今日は福井のほうに行っている組合員の方もおられるかもしれません。ぼちぼちも参加するユニオンネットワーク京都では、来月7月7日に福島現地の住民の方々を招き、今後も長期にわたる被害に対して、私たちがどうつながっていけるのか、どのような支援が求められているのかを考える機会を作りたいと思います。組合員の皆さんの積極的な参加をお願いします。
タイトル:Voice from Fukushima 私たちのつながり方
日時:7月7日(土)午後6時半から
場所:東山いきいき市民活動センター(京阪三条から東へ徒歩五分)
連絡先:ユニオンネットワーク・京都075-691-6191
(1)震災復興を労働運動の課題に
昨年3月11日の東日本大震災から1年以上がたちます。しかし現地の復興はほとんど進んでいません。昨年に引き続き5月の連休にボランティアにいった仲間も、「現地の人は『復興なんて何も進んでない』と少し怒りというか戸惑いを含みながら話されていた」と報告しています。
政府・大資本は復興も金儲けの手段にしようと、儲かりそうなところは特区にして、零細農漁民を追い出そうとしています。それ以外の場所は捨て置かれています。東北は大都市に比較して切り捨てられてきた地域です。大資本は「復旧ではなく復興だ」と公言しているように、自分たちが儲かる範囲でしか復興に取り組もうとはしていません。そのような大資本が被災した人々が望むような震災復興に取り組むわけはありません。それが労働運動が自らの課題として震災復興をとり組まなければならない理由です。
(2)私たちは福島の人たちを孤立させない。
原発事故による放射能被害は深刻です。政府の情報隠しによって多くの人々が被曝し続けています。政府は「ただちに健康被害はない」「除染を進め安心して住めるようにする」などと言っています。しかしどんな微量でも放射能は人体に有害です。除染で安全を確保することなど無理です。福島第一原発事故で日本全国どこでも程度の差はあれ、大地や食物などは放射能による汚染が進行し、健康が脅かされています。福島県民にはこのような矛盾が集中しています。
子供のことを考えれば避難したい、年老いた両親のことを考えれば避難できない、避難したとしても仕事はどうなる、いつかは故郷に戻りたい、農家だが家の作物は子供には食べさせられない、福島で今後の農業、漁業はどうなる等々、生活、労働、教育、家族、社会の全ての問題が複雑に絡み合い、放射能汚染が福島の人々を苦しめています。
私たちは被曝労働をなくせ、と言っていますが、福島第一原発は「被曝労働」によってかろうじて現状が維持されていると言っても過言ではありません。事故の収束までには膨大な「被曝労働者」が生じることは不可避です。また「汚染された震災瓦礫の処理」の問題もあります。このように複雑に絡み合った問題の一つだけを取り上げても、解決することはできません。
今、私たちが考えなければならないのは、日本社会全体でこの問題を克服していくことを確認することです。福島の人たちだけに矛盾を押し付け、安直な福島切り捨て論に陥らないようにしなければなりません。
そのためには、「福島の人を孤立させない、大消費地だった都市住民は克服に向けて福島の人より大きな犠牲を払う覚悟が必要」ということです。
今回、お二人を招いてお話を聞くのは、このような考えから福島では生活・社会全般にわたってどのような問題が発生しているのかを知る為です。お二人から福島の現実をお聞きし、どのようにつながれば福島の人たちを孤立させず、日本社会全体で解決していくことができるのか、という難しく困難な問題を考えていくための第一歩にしていくためです。
(3)大飯原発再稼動を阻止しよう
野田政権は、福島第一原発事故が終息していないにもかかわらず、大飯原発再稼動を強行しようとしています。
最大で15%電力不足になる、病院や年寄などは命の問題が発生するなどと吹聴しています。大企業の電力使用を落とせば命の問題は発生しません。生産が下がり不況がさらに進行するという問題はあり得ますが、それはあえて甘受すべきです。多くの労働者、市民がが、脱原発による生活レベルの低下を受け入れると表明しています。
電力が15%不足するとしていますが、その前提となっている成長路線、構造改革型復興は少子高齢化などの進行により破たんしています。この破たんした路線を掲げて大飯原発再稼動を推し進めようとする二重の欺瞞を許してはなりません。
7月7日、ユニオンネットワーク・京都は「Voice From Fukusima・私たちのつながり方」を開催し、「福島の人たちを孤立させない」を出発点にして、これから数十年にわたるであろう、復興支援と原発事故被害との闘いの第一歩を踏み出したいと考えています。
■ゲストの紹介■
【佐藤昌子さん】
パナソニック電工株式会社福島営業所(郡山市)に勤務。2008年、パナソニックの派遣切りに抗して全国の支援のもとで闘いぬき、2010年に正社員で職場復帰し、その後地域で非正規労働者の権利防衛に力を注いできた。3.11以後は、福島第一原発が立地する双葉郡から親族の方々を自宅へ受入れて介護に当ると共に、放射線量が高い郡山市の子供たちを内部被爆から守るための集団疎開訴訟の支援、脱原発行動に立っている。
【木幡(こはた)ますみさん】
福島第一原発1~4号機が立地する双葉郡大熊町の町民。現在、同町民多数と共に会津若松市の仮設住宅で避難生活。「女性たちの会」をつくり、仮設住宅のボランティア活動や放射能汚染の学習会など幅広い活動を行なう。大熊町の前町議であった夫の仁さんは昨年の町長選挙に、「帰還できないことを前提にした取り組みの推進」を掲げて立候補した(惜敗)。選挙当時「帰還」を掲げた現町長も、現在は仁氏と同じ立場になっている。
Voice from Fukushima
コメントを残す