生活保護申請ビデオカメラ弾圧
第三回公判の傍聴支援のお願い
日時:5月7日(金)15時40分~
(10分前には法廷前廊下に来て頂き、組合の担当者に必ず声をかけて頂く様お願いします。)
場所:大阪地裁 堺支部301号法廷(南海堺東駅徒歩10分)
内容:被告尋問
以前お知らせしました通り、昨年10月27日から身柄拘束されていたA君ですが、第二回公判直後の3月31日に保釈されました。保釈条件の一つには、柏原福祉事務所への接触を一切禁じるという(弁護士を通じる場合を除く)、生活保護を受給しながら暮らしていた地域からの、司法を通じた信じがたい排除も付されました。A君の今後の生活の建て直しも大きな課題ですが、同時に裁判闘争も続きます。第三回公判の日にちが迫ってまいりました。皆様から頂いたカンパや知恵や声援で、何とかここまで辿り着きました。改めて、謝意を表すと共に引き続きのご支援とご注目をお願い致します。
関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち
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以下、第二回公判(10年3月26日)の簡単な報告です。
まず、柏原市職員への尋問が検察側からあり、検察側の視点に立った状況説明がありました。検察尋問の最後に、検察側が「A氏に撮影されたり脅されて、いまA被告にいいたいことは?」と聞いたことにたいして、次のように答えました。
「(A被告のことを)許すことができない、とおもっている。刑罰を望んでいる。法に基づいて厳正な処罰を求めます」
以下、検察側の尋問、および弁護人(木原弁護士)の尋問を通じて明らかになったことを、イダのメモに基づいて一部紹介しておきます。
○14日の再申請のときに「条件が同じならまた却下されると思いますよ」といっていたことや、18日に「既に14日に受理しているので、重ねてやる(二重申請)のはおかしい。供託金を生活費に使うように言ってたはずですが」というように、まったく困窮状態のAさんに、親切・援助的に接していなかったことがあきらかになった。この8月18日時点でもいまだ、供託金の金を使うべきだという認識で、事実上、彼の生保の申請を、供託金を理由に拒否している。
18日の申請は無条件に受理すべきであるのに、そもそも申請を受理しなかったのがおかしい。前のままではダメかもとおもって生保の再申請をしたいというAさんの意志を一定はわかっていたことは職員自身が認めている。職員は、(何をA氏は要求しているとおもったか、という問いに対し)「申請の日付の変更、再申請の提出、生活保護の開始、お金の支給を求めているとおもった。」といっているのであるから、なぜ日付の変更を求めるのか、なぜ14日に申請しているのにさらに申請したいのかをきき、Aさんの状況をよく聞いたうえで、こうしたら申請できますよと教えたらよかったのである。しかしそれをしなかったことがあきらかになった。(木原弁護士がなぜ、14日に申請しているのに18日に再申請にきたとあなたは思うかと聞かれて、職員は、「特に意味のない行為と思う」と答えた。)
職員の言い分は「こちらから前の申請をいったん取り下げたうえで再申請を出せばいいのですよとはいえない。それは、Aさんが14日に出したものを否定するようなことで、それは申請権の侵害にあたるから」というもの。Aさんから自発的に書類が出されない限り、こちら(市役所)は何もしないと言うのが正当な対応と思っていると告白していた。
つまり職員は、自発的に文書が出ないとダメという間違った認識を持っている。口頭でも意志を伝えていれば申請になるのにそれをしらず、かたくなに文書がでなかったことを問題にしていた。取り下げという手続きがAのほうから自主的になされない限り何もできない、すべきでないと職員は主張していたが、それは間違い。「取り下げをしたら二重申請でなくなるので、申請を受理できますよ」と教えることは、申請件の侵害などではなく、逆に、本当に実質的な申請権を保障するために必要なこと。職員は形式論を言って事実上申請をさせず、申請して早く生活保護を支給してほしいと願うAさんに対し、生保を受給できないように事実上妨害していたとみなすことができる。
○ Aさん名義の貯金があることがわかったのは、4月のはじめごろ。この時期、福祉事務所職員は、Aさんと話をする中で、貯金が単純にAさんのものでないという事情を聞いていた。2009年2月の時点で母親との関係が断絶していることを把握していたことが、ケース記録にちゃんとかいてある。5月ごろには、供託金にされた事実や供託金にまでされた事情も聞いていた。
それなのに、職員は調書で「8月3日の申請の後、初めて貯金を見つけた」というようなことを書いている。ウソを書いている。木原弁護士がその矛盾をつくと、貯金と供託金は別物であるかのような形式でいいわけをしようとしていたが、5月に貯金が供託金にされたことを知っていたのだから、このいいわけは意味を成さない。
○ 職員は8月の時点でも「本人の金か母の金かわからないと思った」と証言したが、ここには、Aさんへの不信感があったことが示されている。金があるのに、不正に生保を取得しようとしている人物かも、という感覚をもっていたことが明らかにされた。Aさんの話をちゃんと聞いて信頼する、という態度とは正反対である。
○申請後に要保護の条件がでたらどうなるかという木原弁護士の問いにも、申請日の条件で判断するという、間違った応答を職員はしていた。
○ 以上より、柏原福祉事務所は、全体として、生活保護法25条の「急迫した状況」にある者(Aさん)にたいして「職権による保護の開始」をすみやかにすべしという規定に反したことをしていたのである。
○ 職員の証言全体で、実は心の奥底に、経済的に困窮していたり精神的にもしんどかったAさんを助けてあげよう(申請のやり方を教えてあげよう)という気持ではなく、腹の立つやつだから処罰して欲しい、という気持ちがあることがよくわかった。
逮捕させ、5ヶ月以上(3月末時点で156日)も拘置・勾留させたことを踏まえて、少しは温情的なことをいうかと思ったら、3月末時点でも確信犯的にAさんに処罰を求めるという態度の人物であった。
以上
2010 「逃散や不服従」メーデー in京都
メーデー準備 その2
4月29日メーデー 準備すすむ
「ユニオンぼちぼち」「ユニオンエクスタシー」「反戦生活」の2010年メーデーについて、基本の呼びかけ分を紹介しましたが、昨日、今日、2日にわたって横断幕つくり、パペットつくり、プラカードつくりなどしました。
ある定型的なもの(商品)の消費ではなく、ほぼ無料の材料から作り出すことで、対抗的な「遊び」ができます。スポーツやゲームやショッピングや観劇・テレビ視聴といった与えられたスペクタクルの受動的消費ではないような、「状況」を積極的に作り出す、「漂流」的な活動です。
以下、少し写真で紹介します。
エクスタシーがおもしろいこと(?)も計画中です。実現しないかもですが。パペットは乞うご期待、ってとこかな。
4月29日、京都の四条河原町に反スペクタクルの異空間が出現します。来たら、ちょっと面白いかもよ。
逃散や不服従メーデー
「逃散や不服従」メーデー
2010年4月29日(木)
13:00 仏光寺公園(四条河原町交差点を二本南に行った仏光寺河原町を東)
14:30~ デモ
デモコース
仏光寺公園スタート 仏光寺公園解散
☆デモの後、交流会あり
むかし農民は、厳しい年貢の取り立てにガマンできなくなったとき、「逃散(ちょうさん)」と言って、みんなでよそに逃亡したり、家にこもって働かなかったりして抵抗したらしい。
どんな条件でも文句を言わず働け、金を稼いで自立しろ、それでお金を使いまくれ。
貧乏ヒマなしは今も昔もかわらない。
その「ちゃんと働いてひとりで生活する」っていうのが、どうにもうまくいかない。例えば、女性だからということだけで、誰かに養われろといわんばかりに低賃金で働かされるし、その上簡単にクビにされる。
経営者たちは、平気で私たちを「役立たず!」と罵ってくる。また、権力者たちは平気で私たちに切りつけてくる。私たちも自分自身を「役立たず」だと責めてしまうことはよくあるし、生きのびるために、だれかを傷つけたり、差別したりしている。
おかしいな、イヤだなと思っても、なんか、世間は不安や不満や不信感だらけで、お互いが見張りあって、息が苦しくなっている。ささいな違いを突っつき合って、はみだすことを恐れ、息を殺して生きている。
私たちは、こんな社会から逃げ出したいと思うし、「逃げてもいい」と呼かける。
「もうたくさんだ」と言って、勝ち組のつくったシステムから逃げ出そう。
そして、「逃げてもいい」と呼びかけると同時に、服従しないこと、「闘うのもあり」だということも呼びかけたい。
4月29日のメーデーは路上に出て、働け、働けと人を追いつめ、生きる権利すらも奪うような人たちに、不服従の姿勢を見せつけよう。
要領よく生きられなくても、はみ出してもいいじゃないか。自分たちどおしで傷つけあいたくない。生きのびよう。みんなで生きのびよう。
世間の〈はみ出しもの〉たちよ、集まろう。
ようこそ、「逃散や不服従」メーデーへ!
主催:関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち
反戦と生活のための表現解放行動
京都大学時間雇用職員組合 Union Extasy
メーデーは4月29日です
今年のメーデーは4月29日です。
準備に集中しすぎて告知を忘れていました。
詳細は近日中に。
待たれよ、待たれよ、時は短し。
速報・A君が保釈されました
第2回公判(26日)のあとに出した保釈請求が認められ、今日A君が保釈されました。
不当な逮捕、起訴、そして5ヶ月にもわたる拘束に耐え、やっと外に出られたのです。
本人も喜んでおりますし、周りもホッとしています。
ただ裁判は続きますので、今後ともご支援とご注目をいただけるよう、お願いいたします。
3月26日、第二回公判のお知らせ
生活保護申請ビデオカメラ弾圧
第二回公判の傍聴支援をよろしくお願いします!
関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち
賛同してくださった皆様や支援してくださった皆様へのお礼を、今まで発信して来なかったことを深くお詫び致します。
さらに度重なる支援要請をさせて頂くことは恐縮ですが、第二回公判の案内をさせて頂きます。
今回の事件の不当性に共感して頂いた皆様と持つことができた繋がりは、私たちにとって大きな財産となっています。心から感謝しています。引き続き、A君の釈放と無罪を目指して活動を継続していきますので、ご支援よろしくお願い致します。
1、傍聴支援の要請
第二回公判
3月26日14:10から
大阪地裁堺支部301号法廷(南海堺東駅、徒歩10分)
14:00までには法廷前の廊下に来て頂き、かならず組合の担当者に声をかけて下さる様お願いします。
2、A君からのメッセージ
賛同メッセージを送って頂いた皆様へ
皆様たくさんのメッセージを送って頂きありがとうございます。
私が拘置所に来たばかりの頃は寒さが厳しく、何度も心が折れてしまい、自暴自棄な気持ちになりましたが、皆様の心強いメッセージが私の救いとなり、なんとか生き抜いていこうという気持ちにさせてくれました。本当に感謝しております。
近頃は暖かかくなり、体も健康的になってきました。気持ちも少し冷静さを取り戻してきております。そして事件のことも冷静に振り返ることができ、留置段階では、事件が2ヶ月前ということもあり、厳しい取り調べで、検察・警察のストーリーを、そうだったかのように思い違いをしていたことが、少しずつ本当のことが思い出されてきて、今ではほとんどの事が整理できるようになりました。
それをふまえて、真実は無罪だということを確信しております。しかし現状の司法の対応は私を有罪へと持っていくでしょう。この現状をどうか皆様に考えてほしいです。低所得者層がかんたんに犯罪者にされてしまう現状は危険です。草々
3、会計報告
簡単なもので申し訳ありませんが、会計について中間報告をさせて頂きます。
収入は個人・団体からの寄付です。
支出は、接見や差し入れ経費、事務経費などの、組合内での救援活動に充てています。
残高については、釈放までの救援活動及び控訴審における法廷闘争や本人の生活の建て直しに宛てる予定です。もしも最終的な残金があった場合の使途についてはまだ未定ですが、今後このような事件を起こさせない為の行為に使用させて頂きたいと考えます。
改めて謝意を表します。本当にありがとうございました。引き続きのご支援もよろしくお願いします。
□総収入 911,933
現金カンパ 477,743
振込カンパ 434,190
■支出 190,908
――――――――――――
残高 721,025
(2010/02/25時点)
事件の概要は「ユニオンぼちぼちのブログ」の過去ログをご参照下さい。
http://rootless.org/botiboti/blog/
以上
生保申請ビデオ弾圧 賛同人・団体・メッセージ追加
賛同メッセージを追加します。前のメッセージは以前の記事をご覧下さい。
賛同人・賛同団体一覧を追加しました。
賛同していただける個人・団体は こちら からお願いします。
indra_of_red(ブログ「対貧困の正当防衛」)
罪なき者に罪を着せる腐敗した社会を白日の元に晒せ。国家権力と言う大きな力には大きな責任が伴う事を知れ。
裁判など面倒な手続きを踏ませて謝罪を遠ざけるな!謝るなら今謝れ大阪府柏原市福祉事務所職員
廣瀬巌
逆にその職員を公務員職権濫用罪で刑事告訴してはいかがでしょうか?
<刑法>
(公務員職権濫用)
第百九十三条 公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又
は権利の行使を妨害したときは、二年以下の懲役又は禁錮に処する。
それと、私の告訴のノウハウも参考になさってください。
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=50286426&comment_count=16&comm_id=433277
【賛同人】(3月22日現在)
宇都宮健児(反貧困ネットワーク代表)、稲葉剛(NPO法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事)、赤石千衣子(反貧困ネットワーク)、雨宮処凛(作家・反貧困ネットワーク副代表)、生田武志(野宿者ネットワーク代表)、小野俊彦(フリーターユニオン福岡執行委員)、河添誠(首都圏青年ユニオン書記長)、舟木浩(弁護士、反貧困ネットワーク京都事務局長)、白崎一裕(反貧困ネットワーク栃木共同代表)、さとうしゅういち(民主党員、福祉行政職員)、木村厚子(岐阜県)、小林希行、藤藪貴治(北九州市立大学非常勤師)、蓼沼紘明、イダヒロユキ(大学非常勤教員)、吉野一彦(クリニカルラボ御影院長)、藤田 博士(茨城保健生協組合員)、尾崎英樹(働かないホモセクシャル)、紺野茂樹、中野由紀子(「旗旗舎・東京」)、小塚太(ピースネット/市民平和基金:東京)、木下茅(東京女子大学非常勤講師)、竹林 隆(大阪教育合同労働組合書記長)、有園正俊(精神保健福祉士)、エッグマン(医療労働者・大阪)、白石草(OurPlanet-TV)、江上諭子(ビデオ作家)、林田力(『東急不動産だまし売り裁判』著者)、清水裕(学生)、高野聡(活動家一丁上がり!講座受講生)、嶋田頼一、吉田卓史、細野秀太郎(オルタ)、庄野真代(活動家一丁あがり講座)、久保田健司、前田昭典、くまがいマキ(劇作家)、兼近修身、竹内絢(ふぇみん)、渡邊太(taiyoh.org)、匿名(神奈川:アルバイト)、花澤尚巳、森ひろみ(無職)、西村仁美(ルポライター)、澤田春彦(労働者友愛協会)、稲葉奈々子(茨城大学教員)、ヒデヨヴィッチ上杉(バンドマン)、木村穣(ピースムービーメント実行委員会)、遠藤礼子(活動家)、桐原尚之、田中捷介、藤井光(美術家・映像ディレクター)、松元千枝(ジャーナリスト)、吉岡多佳子(非正規施設介護労働者/安全な労働と所得保障を求める女性介護労働者の会/関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち組合員)、加藤和博、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)、大村智(明石書店労働組合)、鍬野保雄(一市民)、中村雅也(京都府立視力障害者福祉センター入所者)、藤田ひろみ・maqui,カトウ(サポートセンターMADO)、服部貴弘、園良太(フリーター全般労働組合共同代表)、古屋寛生(あすじゃ京都)、七瀬タロウ(精神障害者)、中沢浩二、松田一樹(郵政非正規労働者)、吉田信吾(ホームヘルパー)、松原明(ビデオプレス/レイバーネット日本)、大野直之(全国障害者介護保障協議会)、内野端樹(GOTCHA)、本田次男(きょうと夜まわりの会)、中村順(貧困当事者)、稲岡淑江、土屋トカチ(映像ディレクター・映画監督)、梶屋大輔(フリーター全般労組・派遣ユニオン)、金靖郎(難民を支援し、連帯する会)、栗田隆子(女性と貧困ネットワーク・フリーターズフリー)、湯川順夫、横山雄一、筒井雪江(永世中立宣言運動)、竹村洋介(近畿大学講師)、岡田雅宏、みさき、竹森真紀(北九州がっこうユニオン・うい)、加藤賀津子、佐藤龍市(「永世中立宣言」運動センター準備室事務局)、川原義人(個人)、阿部豊(介護ヘルパー)、遠藤賀子、大山千恵子(行政書士)、平田正造、横山隆英、ふるかわあすか、長濱洋一、藤喬(きょうとライフサポートセンター)、菊地、吾郷俊郎、斉藤郁夫、桑野浩一(無職渡世)、但馬けいこ(自立労連)、斉藤尚己、村上(管理職ユニオン・関西)、友延秀雄(ゼネラルユニオン書記次長)、吉田真治、内藤進夫(アルバイト派遣パート関西労働組合副代表・神戸事務所相談員)、森野櫟、石塚淳(生・労働・運動ネット)、数宝照夫(行政書士、奈良さわやかユニオン役員)、indra_of_red(ブログ「対貧困の正当防衛」)、廣瀬巌(順不動)
【賛同団体】
NPO法人自立生活サポートセンター・もやい、生・労働・運動ネット、住まいの貧困に取り組むネットワーク、NPO法人青森ヒューマンライトリカバリー、自由と生存の家実行委員会、Media Champon、「働き人のいいぶん」編集委員会、なめるな国民を!守ろう憲法!憲法を守る意思表示の会、フリーター全般労働組合、ピープルズ・プラン研究所、APFS労働組合、京都生協の働く仲間の会、フリーターユニオン福岡、全国「精神病」者集団、びよんどネット、労働者コミュニティーセンター・ながの、京都大学時間雇用職員組合ユニオンエクスタシー、北九州がっこうユニオン・うい、夜まわり三鷹、永世中立宣言運動、大阪城公園ヨロズ相談所、中崎クィアハウス、日本国憲法第99条@mixiコミュニティ(順不動)
「A君無罪!釈放要求緊急集会」の報告
2010年1月15日(金)に「エル・おおさか」で集会が持たれ、70名ほどの参加で開催されました。
様々な人の発言や質疑応答で、この事件の本質や問題点がさらに浮き彫りになったように思います。
担当弁護士から今回の事件の概要とそれに対する今後の方針などが話されました。起訴はまったく意味がわからない不当なもの。ビデオをとったのは記録のためである、申請書を受理するのは当然なのにそれをすぐにしなかったことに対する行為だから問題ではない(違法な職務は保護されない)、A君には故意がない、身体拘束の必要もない、刑事司法の中で生活保護法が理解されていない、などが指摘されました。
「ユニオンぼちぼち」からは、この間の経緯とA君のユニオンでの活動状況、そして水際作戦の本質を「エンパワメント視点の欠如した排除的姿勢」ととらえ、今回の柏原福祉はまさにそれであったという話などがなされました。(全文を別掲します)
NPO法人釜ヶ崎医療連絡会議からは、福祉事務所勤務の方が生保の申請する側と役所にはパワーアンバランス(力の非対称性)があり、それを補うためにビデオ録画などの手段があるのだ、自分の経験でもやり取りを録音する人やファックス文書やり取りの人などいたが、それを受け入れなくてはならないものだという話、また過去の医療連活動での聞き取りから、多くの人が水際作戦的な冷たい対応をされてきた事例が紹介されました。またそれに対して、水際作戦的なことをするなという10項目の改善要求(97年)、対応の力をつける学習会、などをし、98年の佐藤裁判で役所との交渉をビデオにとったものをテープおこしして証拠として採用され、その裁判で勝って、野宿から直接民間アパートへの生保(敷金支給)が可能となったという話がありました。そうした運動があっての現在なのだということです。
2006年には厚生労働省も、申請権を侵害していると疑われるような行為自体も厳に慎むことということを手引きで明記しているということも指摘され、柏原福祉事務所はこれに反しているといわれました。
remo [NPO法人記録と表現とメディアのための組織]からは、1966年から釜が崎に街頭監視カメラが設置され、それ以降ずっと権力・警察側がカメラを使ってきたということ、いまやデモや集会なども高性能の数台のカメラですべて記録され事後的な逮捕にまで利用されていること、誰がだれに向かってカメラをおいているのかをみないといけない、警察が、犯罪予備軍、あるいはそういう人が多くいるであろう場所に向かってカメラをおいているのだ、という話がありました。またカメラの普及で様々な可能性も広がっているが、その統制も広がっている。「インディメディア」を作る活動をしてきたがそこでは匿名性を守ることに力点をおいてきた。だが権力は監視するために匿名性を奪おうとしている。今回のA君事件では、さらに一線を越えた統制への動きと見ることができる。つまり、ビデオ映像を使って何かをしたということが統制されたのではなく、記録したこと自体が犯罪とされたのだということ。
「インディメディア」では、匿名性を守ることに重点をおいていたが、その前の段階の記録すること自体まで守らねばならなくなったということでこの事件は重大である。このままではカメラを持つこと自体を躊躇するようにされてしまう。だからこそ、いっそう私たちは恐れずに記録し続けなくてはならない。みるべきものを見続けなくてはならない、という話がなされました。
質儀応答が活発になされた後、釜ヶ崎日雇い労働組合から、昔から法律を拡大解釈して不当弾圧がされてきたのであり今回もまさにそれである、と認識して闘っていかねばならないという話、らくなんユニオンからも、ちいさな形式不備をついて不当逮捕、不当な組合事務所家宅捜査がなされたという話がありました。広島から来た市民記者のSさんからは、森田健作知事が違法行為をしたのに不起訴になってA君が起訴になるのはまったくおかしい、このように恣意的に起訴しているような状況は政権交代だけでは止められず現場の抵抗運動こそが不可欠なのだというような話がありました。
また釜が崎医療連絡会議からは、最近も釜が崎で威力業務妨害ということで職員に少し従順でなかったということで不当逮捕があった、こういうことと同じことがA君にもおこったのだ、だから、ひるまずにこの問題を社会的に訴えて反撃していく必要がある、たとえば、柏原市役所前にいって、このような不当なことをしていることでいいのかと市民や市役所職員に伝えていくことが必要である、黙っていてはやられるだけである、という提起がなされました。
カンパや賛同署名もたくさん集まりました。
また充実した資料集が作成・配布されたことも付記しておきます。