大阪弁護士会より、来年度予算で行われようとしている生活保護基準の切り下げに対して、声明が出されました。重要ですので、ここにあげます。長文ですが、よかったらお読みください。
厚生労働省のとりまとめ案の撤回を求め、
生活保護基準の引き下げに強く反対する会長声明
1 政府は、本年8月17日、「平成25年度予算の概算要求組替え基準について」を閣議決定した。そこでは、「特に財政に大きな負担となっている社会保障分野についても、これを聖域視することなく、生活保護の見直しをはじめとして、最大限の効率化を図る」との方針が強調されている。また、厚生労働省が公表した平成25年度の予算概算要求の主要事項では、「生活保護基準の検証・見直しの具体的内容については、予算編成過程で検討する」とされている。そして、本年10月5日に開催された社会保障審議会生活保護基準部会において、厚生労働省は、第1十分位層(全世帯を所得階級に10等分したうち下から1番目の所得が一番低い層の世帯)の消費水準と現行の生活扶助基準額とを比較するという検証方針を提案した。
これら一連の事実から、本年末にかけての来年度予算編成過程において、厚生労働大臣が、生活保護基準の引き下げを行おうとすることは必至の情勢にある。
2 しかしながら、生活保護基準は、いうまでもなく憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準であって、わが国の生存権保障の水準を決する極めて重要な基準である。生活保護基準が下がれば、保護が廃止される者や、保護費が減少する者が大量に発生するだけでなく、最低賃金の引き上げ目標額が下がり、労働者の労働条件にも重大な影響が及ぶことになる。また、生活保護基準は、地方税の非課税基準、国民健康保険の保険料・一部負担金の減免基準、介護保険の利用料・保険料の減額基準、障害者自立支援法による利用料の減額基準、生活福祉資金の貸付対象基準、就学援助の給付対象基準など、医療・福祉・教育・税制などの多様な施策にも連動しているから、生活保護基準の引き下げは、これらの施策を利用している低所得層の人々にも重大な影響を与えることになる。
このように、生活保護基準は、わが国の生存権保障の基盤を支える重要な基準であるから、生活保護利用当事者を含む市民各層の意見を十分に聴取したうえで、多角的かつ慎重に決せられるべきものであり、財政目的ありきで政治的に決することは到底許されない。
3 さらに、厚生労働省が提案した上記の「第1十分位層を基準に生活扶助基準額と消費水準を比較する」という手法については、その妥当性、合理性に極めて大きな問題がある。
まず、平成22年4月9日付けの厚生労働省の発表によっても、わが国の生活保護の「捕捉率」(制度の利用資格がある者のうち現に利用できている者が占める割合)が15.3%~29.6%と推計されていることからすると、生活保護基準未満の低所得世帯のうち7割以上が生活保護を利用していないことになる。このように生活保護基準以下の生活を余儀なくされている「漏給層(制度の利用資格のある者のうち現に利用していない者)」が大量に存在する現状においては、低所得世帯の消費支出が生活保護基準以下となるのは当然のことである。にもかかわらず、低所得世帯の中でも極めて所得の低い第1十分位層の消費水準との比較を根拠に生活保護基準を引き下げることを許せば、保護基準を際限なく引き下げていくことにつながり、合理性がないことは明らかである。
また、昭和59年以降採用されてきた生活保護基準の検証方式である「消費水準均衡方式」は、中央社会福祉審議会が、生活保護受給世帯の消費水準を「一般国民の消費実態との均衡上ほぼ妥当な水準」であるとし、その均衡(格差)をそのまま維持せよと意見具申したのをうけて導入されたものである。その際、生活保護基準の妥当性検証の前提とされたのは、平均的一般世帯の消費支出、低所得世帯(ここでいう低所得世帯とは、第1十分位層よりずっと高めの第1五分位と第2五分位の世帯であった。)の消費支出、被保護世帯の消費支出の3つの間の格差の均衡に留意するということであり、第1十分位層の消費支出に生活扶助基準を合わせるというものではない。
そもそも、平成23年2月からの生活保護基準部会においては、比較対象を第1十分位層とすることについて、委員からさまざまな疑義が示されて来た。上記の厚生労働省の取りまとめ案は、こうした議論を反映させることなく、生活保護基準の引き下げという結論が先にありきで第1十分位層との比較に誘導しようとするものであり、学識経験者らによる真摯な検討過程を冒涜するものと言わざるを得ない。
4 近年の社会経済情勢に伴い雇用が不安定化していることや、高齢化が急速に進んでいるのに年金制度による社会保障機能が脆弱であることなどを考えれば、生活保護の利用者が増加するのは、むしろ当然のことである。
自由競争や自己責任が強調される一方で、貧困や格差が拡大し、本来、生活保護を利用できて然るべき人々が排除されている現状においては、むしろ、最後のセーフティーネットとされる生活保護制度の積極的な運用が期待されている。
よって、本会は、厚生労働省の上記取りまとめ案の撤回を求めるとともに、来年度予算編成過程において生活保護基準を引き下げることに強く反対するものである。
2012年(平成24年)10月18日
大阪弁護士会
会 長 藪 野 恒 明
「知識」カテゴリーアーカイブ
生活保護の実態パンフレット
最近は生活保護について報道されることも多いですが、その実態は意外に知られていないのではないでしょうか。生活保護の実態についてわかりやすくまとめられたパンフレットを無料で見ることができるので紹介します。
パンフレット「今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?」(PDFファイル;767KB)
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogo_qa.pdf
日弁連 生活保護の実態パンフに
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120815/k10014286111000.html
大阪労働者弁護団が有期労働契約法制について意見書を発表しました
大阪で、多くの闘う労働組合とともに活動している、弁護士さんたちの団体である。大阪労働者弁護団が、以下の意見書を発表しました。
http://homepage2.nifty.com/lala-osaka/ketugi120615.htm
有期労働契約法制は、合理的な理由なく有期雇用をしてはならないという入口規制が採用されず、このままでは、非正規雇用労働者の待遇改善には結びつきません。弁護士さんたちが指摘している問題を改善するためには、まだまだ社会的に問題を喚起していくことが必要です。
非正社員最高の35% 11年、失業1年以上109万人 :日本経済新聞
総務省がこの度公表した労働力調査によると、非正規雇用の割合が35%となり過去最高を更新したそうです。
非正社員最高の35% 11年、失業1年以上109万人 :日本経済新聞
これほどまでの割合になれば正規雇用が前提で非正規雇用は例外だと言うのは難しいですし、年金等の制度も現状に合わせて整備すべきです。
----------以下記事本文----------
総務省が20日に発表した2011年の労働力調査(詳細集計、平均)によると、雇用者のうちアルバイトや派遣などの非正規が占める割合は35.2%となり、前年に比べ0.8ポイント上昇した。非正規の比率は2年連続で過去最高を更新した。失業期間が1年以上の完全失業者も109万人と依然として高水準で、厳しい雇用環境を反映している。
調査は東日本大震災の被災3県を除いた全国ベース。10年の数値も3県を除いて算出した。企業から雇われた雇用者(役員除く)は前年比23万人増の4918万人。非正規が1733万人で48万人増えた一方で、正規は3185万人と25万人減った。
非正規を雇用形態別でみると、パート・アルバイトが33万人増の1181万人、契約社員・嘱託も27万人増の340万人となった。企業が人件費を減らすために、正社員の採用を抑え、パートなどに切り替える傾向が続いている。
完全失業者の総数は284万人となり、33万人減った。ただ、失業期間別にみると、1年以上失業状態にある長期失業者は、1年未満の失業者に比べて改善は限られた。「長期失業者は08年のリーマン・ショック以降に急増し、その後も高水準で推移している」(総務省)といい、労働市場での失業者の長期滞留が深刻化している。
中日新聞 – <はたらく>男女同待遇へ法の充実を ILO、日本に勧告
国際条約で認められている「同一価値労働同一賃金の原則」に関して日本の法律は不十分であるとの勧告をILOが出したようです。
中日新聞:<はたらく>男女同待遇へ法の充実を ILO、日本に勧告
この記事で書かれているような性別での均等待遇も重要ですし、正規―非正規での均等待遇も求めたいです。
----------以下記事より----------
仕事の価値が同じなら男女で同じ賃金がもらえる「同一価値労働
同一賃金の原則」を定めた国際条約について、国際労働機関(IL
O)は昨年11月、日本政府に対し、法律の規定が不十分だと勧告
した。性別や仕事の種類に関係なく、客観的に労働の価値を評価し
ないことが問題視された。(稲熊美樹)
「裁判では負けたが勧告で主張が認められ、悔しさが晴れる思い。
この勧告を活用していきたい」。8日、東京都内で開かれたILO
の勧告について報告する集会で、個人加盟の労働組合「商社ウィメ
ンズユニオン」委員長の逆井(さかい)征子さん(68)は語った。
総合商社で長年勤め、8年前に定年退職した逆井さんは、現役時
代の1995年、女性の同僚5人と会社を訴えた。男女のコース別
人事で一般職とされ、同じような職務内容の男女で大きな賃金格差
があるのは違法だと主張した。
2008年の控訴審判決で、東京高裁は6人中4人について「経
験を積んで専門知識を持ち、男性社員と同じ困難度の職務をしてい
た」と違法性を認定。しかし、提訴当時、秘書だった逆井さんにつ
いては「専門性が必要な職務ではなかった」などと訴えを退けた。
28年以上携わった営業職についての評価はなかった。
ILOの100号条約は「同じ価値の労働に対しては、性別によ
る区別をせず、同等の報酬を与えなければならない」と定めている。
政府は1967年に批准し、労働基準法四条で「女性であることを
理由として賃金について男性と差別的取り扱いをしてはならない」
と規定。85年制定の男女雇用均等法でも、性別を理由に差別的取
り扱いを禁じている。
◇
商社ウィメンズユニオンや全石油昭和シェル労働組合など3労組
は09年、男女の賃金格差の是正を求めてそれぞれ提訴。一部は勝
訴したが、満足できる判決内容ではなく、3つの判決が100号条
約に違反しているとILOに申し立てた。
受理したILOは、日本政府に見解を回答させて審理。政府は、
労基法と均等法で100号条約の規定を実現できていると主張した。
これに対し、昨年11月のILOの勧告では、労基法と均等法に
ついて「同一価値労働に対する男女同一報酬原則の概念が条文に含
まれていない」などと、条約の理念を完全には反映していないと判
断した。
ILO駐日事務所は「勧告はあくまで自主的に従ってほしいとい
う要望だが、政府は来年までに勧告に対する回答をしなければなら
ない」とする。厚生労働省は「条約に違反はしていないという指摘
だと受け止めている。ただ、男女の賃金格差があることは確か。啓
発を続け、均等法の見直しも含めて検討したい」としている。
早稲田大大学院法務研究科の浅倉むつ子教授(労働法)は「裁判
や労基署の指導では、職務や職種、雇用管理区分ではなく、労働の
価値で比較されなければならない」と、職務評価の必要性をあらた
めて強調。均等法と労基法の規定の不備を指摘し、同一価値労働同
一賃金の概念を盛り込む法改正を提案する。
◆女性給与、男性の7割
男女雇用均等法の施行から26年がたつものの、男女の賃金格差
が解消されたとは言い難い。
厚労省の調査によると、賃金格差は均等法施行後、縮小傾向にあ
るものの、依然、女性は男性の7割程度。2010年は、09年に
比べて0.5ポイント格差が拡大し、後退した=グラフ。勤続年数
や管理職比率の違いが格差の主な要因だ。
同省の研究会は「配置や昇進、人事評価の基準があいまいで制度
の整備が不十分。仕事と家庭との両立が困難な働き方を前提とした
制度設計で、採用や配置で男女差が生まれ、賃金格差につながって
いる」と分析する。
<同一価値労働同一賃金の原則> 男女、正規と非正規の間の賃金
格差を解消し、働きに見合った公正な処遇をする原則。客観的に職
務評価をするため「知識・技能」「責任」「負担」「労働環境」の
4要素から点数を算出し、職種や雇用管理区分を超えて比較する。
関西の最低賃金
関西2府4県の最低賃金です。あなたの周りに時給がこれ以下の仕事はありませんか?月収30万円以上でも、労働時間が長いと最賃割れすることがあります。組合にご相談ください。
参考:地域別最低賃金の全国一覧(厚生労働省)
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-02.htm
滋賀県 709円
京都府 751円
大阪府 786円
兵庫県 739円
奈良県 693円
和歌山県 685円
被災者への住居提供
■福島県民の皆さまへ(共同声明文)
http://www.pref.shiga.jp/bousai/kinkyu_110316_2.html
京都府:075-414-5930
滋賀県:077-528-3447
■栃木県
http://www.pref.tochigi.lg.jp/f05/kanko/hinanbasyo.html
028-623-3210
那須観光協会-那須高原避難者受入宿泊施設一覧
塩原温泉旅館協同組合-被災者支援宿泊施設情報
那須温泉旅館協同組合(電話:0287-76-2755)
鬼怒川・川治温泉観光協会(電話:0288-77-2052)
黒磯観光協会(電話:0287-62-7155)
湯西川・川俣・奥鬼怒温泉観光協会(電話:0288-97-1126)
■群馬県
http://www.pref.gunma.jp/houdou/a0800009.html
027-226-2021
■埼玉県
http://www.pref.saitama.lg.jp/page/hinanbasho.html
048-830-5655 048-830-5682
■東京都
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/03/20l3hc00.htm
(都立施設への避難者の緊急受け入れ)
03-5320-4007
(都営住宅について)
電話 03-5320-4972
(公社住宅について)
電話 03-5320-4946
■千葉県
http://www.pref.chiba.lg.jp/juutaku/press/saigai.html
043-223-3255
旭市 都市整備課 0479-62-5895
香取市 都市計画課 0478-50-1214
山武市 都市整備課 0475-80-1192
九十九里町 まちづくり課 0475-70-3156
■新潟県
http://www.bousai.pref.niigata.jp/contents/kinkyu_sizen/000680.html
tel 025-282-1747
025-282-1748
025-282-1749
■富山県
http://www.pref.toyama.jp/sections/1001/201103eq/files/0316-2.pdf
076-444-3358
■石川県
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/kenju/touhokuzisinn.html
076-232-5140
■福井県
http://www.pref.fukui.jp/doc/furusato/furusatotop/touhokusoudan.html
電話番号 :0776-20-0387、0286、0278
FAX番号 :0776-22-1702
■愛知県
http://www.pref.aichi.jp/0000039498.html
愛知県建設部県営住宅管理室 電話052-954-6581
愛知県住宅供給公社賃貸住宅課 電話052-954-1362
■岐阜県
http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/kenchiku-jutaku/jutaku/hisai/muryou.html
電話 058-277-1048
FAX 058-278-0688
メール kanri@juko.gifu-djr.or.jp
■三重県
http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/2011030290.htm
FAX 059-224-3147
e-mail:jutaku@pref.mie.jp
■和歌山県
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/011400/kikikanri/touhokuzisin/
073-441-3210
■滋賀県
http://www.pref.shiga.jp/hodo/e-shinbun/hb00/20110315.html
077-528-4234(直通)
■京都府
http://www.pref.kyoto.jp/saigaishien/
電話 075-414-5366
FAX 075-414-5359
■大阪府
http://www.pref.osaka.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=6436
電話:06(6941)0351(代) 内線6307
FAX:06(6210)9750
■大阪市
http://bit.ly/iksxQq
06-6208-9264~6
■兵庫県
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110315/hyg11031501480003-n1.htm
078-341-7711(代表)
■岡山県
http://www.pref.okayama.jp/kinkyu/detail-92707.html
086-226-7536
■広島県
082-513-4171,082-513-4177
広島市
中区役所 電話:082-504-2578
■鳥取県
http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=154849
0857-26-7156
■島根県
http://www.pref.shimane.lg.jp/shobobosai/tohoku_jishin.html
TEL:0852-22-5065
FAX:0852-22-6042
(なお、18:00~翌朝8:00の間のFAXは、0852-22-5930)
E-mail:shimanegurashi@pref.shimane.lg.jp
■山口県
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news/20110315-OYT8T00005.htm
県住宅課(083・933・3880
■香川県
http://www.pref.kagawa.lg.jp/bosai/touhokuokiH230311/shienhonbu/06.pdf
087-832-3581
■徳島県
http://www.pref.tokushima.jp/
088-621-2590
■愛媛県
(089)912-2335
■福岡県
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/a01/kennnotaiou.html#06
092-643-3739
災害関連の情報
■災害に関係しそうな「労働基準法」(休業手当) 第26条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。
(非常時払) 第25条 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。
■労働相談
【福島】県で被災者の方々からの金融・労働に関する相談を電話で受け付けています。番号は024-521-7656です。 http://ow.ly/4ey3E
■Google「被災地炊き出しマップ」
http://j.mp/hkqf4H
宮城県版 炊き出しまっぷ、緊急避難場所 http://t.co/bVPSkY4
福島県版 炊き出しまっぷ、緊急避難場所 http://t.co/MsL4wc9
茨城県版 炊き出しまっぷ、緊急避難場所 http://t.co/a1qas62
栃木県版 炊き出しまっぷ、緊急避難場所 http://t.co/rMV2Y1Z
■OLIVE 被災地での生活を助けるデザインやアイデアを集めるデータベース
https://sites.google.com/site/olivesoce/
■仁平典宏氏による募金&ボランティアについてのツイートまとめ
http://togetter.com/li/111700
■医療・障害者
「人工呼吸器」
http://www.arsvi.com/d/v03.htm
「災害と障害者」
http://www.arsvi.com/d/d10.htm
NPO法人「DPI(障害者インターナショナル)日本会議」女性障害者ネットワーク
http://ow.ly/4eFLB
「自閉症の人たちのための防災ハンドブック-支援をする方へ」社団法人 日本自閉症協会
http://www.autism.or.jp/cgi-bin/saigai/bousai-hb/hb-siensya-1.htm
■住居など
http://twitter.com/#!/hiramatsu_osaka
大阪市が発表した被災者への市営住宅500戸提供の情報は http://bit.ly/iksxQq でお確かめ下さい。 今日15日11時半現在で12件の問い合わせがありました。
湯浅誠さんが若者の生き延び方について語る
湯浅誠さんが毎日新聞で、若者の生き延び方について語っています。基本的にバランスの取れたことを言っていると思いますが、以下の見出しは、「資格で自己防衛を」となっていて、バイアスがかかりすぎたものになっています。
これでは自己責任論を言っているかのように思われます。間違った見出しといえます。
湯浅さんは、「その1割でいいので、うまくいかなかった場合にどうやって生活すればよいか学ぶ時間をとってもらいたい。」「就職に直結はしませんが、もっと基本的な労働者の権利や、仕事をやめなければならなくなった時に生活するための知恵も必要です」といっています。
なお、そのために具体的な一冊として、、「ユニオンぼちぼち」のメンバーで作った『<働く>ときの完全装備──15歳から学ぶ労働者の権利』をあげてくれています。
これは知り合いだからではなく、本当に内容がまともと思ったからそういっているのだと思います。
ユニオンのリアル、があるのは少ないし、上司や労働基準監督署にどのように言えば一番有効かが具体的に書いてあるものなど他にはないと思います。
********************
【毎日新聞】ライフスタイル – 2011.01.25
学力のすすめ:「資格で自己防衛を」 年越し派遣村元村長の湯浅誠さんhttp://mainichi.jp/life/today/news/20110125mog00m100039000c.html
若者が社会に出るまでに身につけるべき「学力」とは何か。7回目は「年越し派遣村」村長を務めるなど、非正規雇用労働者の支援に取り組む湯浅誠さんに聞いた。
--湯浅さんにとって「学力」とは。
狭く言えば点数ですけど、広く言えば「考える力」ではないですか。「考える力」というのは、いろいろな情報からものごとを組み立てていく力だと思います。振り返ってみると、私自身は、そういう意味で「学力」が身についたのは大学院生の時でした。学部生の時はついていなかった。今、本を読む時間がほとんどないのに、本が書けちゃうのは、大学院で訓練したからだと思います。
--どのような訓練ですか。
私が東大の大学院に入ったころは、「徒弟制度」のように徹底して学生を育てました。教授から「もう社会人と一緒なんだから、社会人と同じように1日8時間研究しなさい」と言われて、鍛えられた力が相当あります。少人数で議論のための議論をして、最終的には論文を書く。大学院は純粋な議論の場で、いかに相手との違いを見つけるかが重要でしたが、そのノリで(ホームレス支援などの)活動をして失敗しましたね。実社会では、相手と同じところをいかに見つけるかが重要だったんです。
今は早い時期から、自活能力を求めすぎるので、子供は疲れちゃうんじゃないですか。これまで日本の社会では、学校で点数をとる勉強をしていれば、卒業式が終わると自動的に企業が引き継いでくれて、社会人として一から育ててもらえた。「パイプライン」がつながっていたんですが、そこに「穴」があいてしまった。
--「穴」から落ちてしまう子がでてきたんですね。
落ちないためにどうすればいいか、具体的な知恵が必要なのに、学校も企業も「コミュニケーション能力」とか「生きる力」など、抽象的なことしか言えない。子供たちにしてみたら、どうやって身につけていいかわかりませんよ。非常につらいと思いますね。もっと具体的に、高校、大学で、このスキルを身につければ通用すると、明確に示せる社会にしなければなりません。
しかし、実際には社会がすぐに変わるわけではないので、子供にとって一番わかりやすい方法は資格をとることです。自己防衛としてはやむを得ないでしょう。もう一つ、就職に直結はしませんが、もっと基本的な労働者の権利や、仕事をやめなければならなくなった時に生活するための知恵も必要です。
--いつ、学ぶべきですか。
中学校の終わりか、高校の早い時期に一度触れて、もう少し詳しいことを高校の終わりか大学で教えると理想的です。大学3、4年生になると、就職セミナーに大きなエネルギーを割きますね。その1割でいいので、うまくいかなかった場合にどうやって生活すればよいか学ぶ時間をとってもらいたい。アルバイトでも雇用契約書や給与明細書をもらわないとおかしいということも知らずに社会に出て行く子がいるんですから。救急車が走っているのを見ても、119番を知らなければ救急車を呼ぶことはできないですよ。
--若者自身ができることはありませんか。
それは難しいな。できるとすれば(非正規雇用労働者になるとか、失業して生活に困るような話に)リアリティーが感じられる場に行ってみることでしょうね。低所得世帯の学習支援をするボランティアも増えていますし、生活相談やホームレスへの夜回りといった取り組みも広がっています。実感のレベルで分からないと、単に調べるだけでは忘れてしまうでしょう。
--自力で情報にアクセスする力を身につけることは。
できると思いますが、何か疑問に思った時に、いろいろな方法で調べて、その情報にたどりつく力は、今の日本の教育では大学に行かないと身につかないでしょう。その手前では難しいと思います。
多くの人は、友だちや家族に聞くのが精いっぱいではないですか。
レストランを探すのなら、検索すれば地図つきのサイトがすぐに見つかりますが、労働者の権利や生活保障についてそんなに便利なサイトはありません。
--若者にお薦めの本を紹介してください。
本当は先生向けですが、「<働く>ときの完全装備 15歳から学ぶ労働者の権利」(橋口昌治、肥下彰男、伊田広行共著 解放出版社)がいいかな。ワークショップ形式で基本的な知識が身につく本です。先生が授業をする時に、子供たちが楽しんで学べるように工夫されているので、子供自身が読んでも学ぶことがあると思います。【聞き手・岡礼子】
賃金未払いは、こんなにある!
全国の労働基準監督署に09年、労働者から申告があった賃金未払い件数が
2万7133件に達し、過去最多を記録したということです。
労働基準監督署に訴えない人がほとんどですからこれはまさに氷山の一角で、
ユニオンに相談している人もほんの一部です。
過去に比べて増えています。
みんなもっと、日ごろから自分や他人の権利に敏感になり、いざというとき
には声を上げようよ。ということを広げていきたいものです。
非正規の人のひどい労働条件をほっといて、それどころか偉そうに振る舞い、
他者の苦しみを見てみぬ振りして、あ
るいは抑圧に平気に加担していた人が、自分がやられたときだけ助けてくれ
といっても、それは勝手(自業自得)というものでしょう。
もっといまから、日ごろから、もう少し優しくなろうよ。
なお倒産だといわれても、未払い賃金の8割が立て替え払いされる制度もあ
るので、ユニオンに相談してください。
$$$$$$$$$$$$$$$$
【毎日新聞】ニュースセレクト > 話題 – 2011.01.11
賃金未払い:09年、最多2万7133件 解決率も最低水準--厚労省調査
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110111dde001040023000c.html
全国の労働基準監督署に09年、労働者から申告があった賃金未払い件数が2万7133件に達し、過去最多を記録したことが厚生労働省のまとめで分かった。前年からの繰越件数を含めた3万602件のうち、是正勧告により支払われた解決件数は1万4868件(48・6%)で少なくとも05年以降では割合は最低で、08年秋のリーマン・ショックが与えた影響の深刻さが浮き彫りになった。
同省のまとめによると、賃金未払いの新規申告件数は、99年は1万7125件で10年で約1・6倍に達した。09年の新規申告総額は229億9100万円。総額は「ITバブル崩壊」の影響を受けた02年などに、より高額化したことがあり、比較的賃金の安い中小企業で賃金支払いが滞っている現状が浮かぶ。
前年からの繰り越しを含めた未払い賃金259億700万円のうち、是正勧告により賃金が支払われたのは69億6900万円で、額面上の「解決率」は26・9%。10年に繰り越された分などを除く1万1784件(148億4200万円)は倒産、是正勧告に従わなかったことによる書類送検、事業者の行方不明などで労基署では「解決不能」と判断された。厚労省によると、90年代前半のバブル崩壊以降、解決不能の割合が増えているという。
解決しなかった未払い賃金のうち、「事実上の倒産」に当たると労基署が認めた場合は、労災保険料を財源とする国の「未払賃金立替払制度」の救済対象となる。同制度では、定められた一定期間の退職者であれば、未払い賃金の8割が立て替え払いされる。ただ、賃金の支払い責任を逃れている悪質な企業が増えている恐れも指摘され、昨年10月の事業仕分けで同制度を含む社会復帰促進等事業が「原則廃止」とされたが、連合などの強い反発を受けて厚労省は存続を決めた。
厚労省は「どれだけの割合で立替払制度につながっているかは不明」としており、「業績悪化」を理由とする安易な賃金の遅配や不払いへの対応が求められそうだ。【市川明代】
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