第11回定期大会が無事に終わりました

10月10日(土)にユニオンぼちぼち(関西非正規等労働組合)の第11回定期大会が行われました。
発言しようとする人を尊重するなど、本当に民主主義的な運営がなされているという感想が聞かれたりしました。また、結成10年の節目を迎えて、活動基盤を強化するためにパートタイム専従の提案がなされました。それも含めてすべての議案が可決されたことをここに報告いたします。

【報告】立命館大学との団体交渉

2015年9月15日(火)、ユニオンぼちぼちは、立命館大学と団体交渉を行ないました。交渉内容は以下です。
◆1 学内におけるビラ配りの規制の根拠について
◆2 キャンパス・ヘイトスピーチ/レイシャル・ハラスメント対策の導入要求――ガイドライン改定などの提案
◆3 「授業担当講師」制度導入の撤回要求――有期雇用問題への取り組み
◆4 労働安全衛生法改定にともなうストレスチェック制度の適正な運用の要求
以下、交渉結果を簡潔にまとめました。
◆1 学内におけるビラ配りの規制の根拠について

cf.
立命館大学によるビラ配り妨害への抗議文
立命館大学からの「回答」について

◇組合からの指摘
・「4月に起こった組合員のビラ配りに対する職員による妨害の件について、5月に回答があったが、事実認識において齟齬があり、また、ビラ配りを規制する根拠については触れておらず、回答としては不十分だった。ビラ配りを規制する根拠と、再発防止に向けた対応を明示してほしい。」
◇大学側からの回答
・「ユニオンぼちぼちの組合としての情宣活動を妨害してしまったことについては、謝罪し、再発防止に努める。」
・「教職員の情宣に関しては、明文化されたルールはない。学生に対する規定に準じている(学生については、学内自治の蓄積から、事前に学友会に届けを出すことになっている)。」
・「組合活動としての情宣に対しては、労働法令に基づいて対応する。」
・「対応については、これから管轄の職員に周知徹底する。BKC・OICではすでにそうした研修を実施している。」
◆2 キャンパス・ヘイトスピーチ/レイシャル・ハラスメント対策の導入要求――ガイドライン改定などの提案
 2000年代の終わり頃から、定住外国人や在日韓国朝鮮人に対する排外主義が台頭してきました。排外主義のネットワークは、定住外国人らの生活の場を襲撃したり、路上でヘイトスピーチ(マイノリティへの攻撃を扇情する差別的な言葉)を拡散したりしています。また大学内でも、ヘイトスピーチやレイシャル・ハラスメント(人種・民族を理由とした差別的言動と不利益な取扱い)が起こっています。立命館大学でも、国際文化に関する授業を担当していた非常勤講師が、ヘイトスピーチにさらされる事件がありました。こうした教学環境・就労環境を著しく損なう状況に対して、大学としての取り組みを求めました。大学が具体的な事例を把握していなかったので、組合から個人情報に配慮しながら事例を提示しました。交渉を通じて、大学側の問題意識が低いと感じられたので、今後も組合から資料提供をし、啓発をしていく予定です。
◇組合からの指摘
・「教員が授業内容を構成する際に(学内外からのレイシャル・ハラスメントを恐れて)萎縮してしまうことがある。何かあった際、当事者が安心して相談できるような仕組みを作ることが必要だ。」
◇大学側からの回答
・「2014年2月の常任理事会で、協議がなされ、ヘイトスピーチは人権侵害の範疇に入ることを確認し、7月に『ヘイトスピーチ被害への対応』を取りまとめた。」
・「2015年1月に、教員向けの学習会を行ない、冊子を配布した。」
・「ネットでの発信を含め、教育的な取り組みはしてきた。」
◇組合からの指摘
・「二次被害を恐れて相談に行けない人もいる。大学として、対外的に積極的なメッセージを出してほしい。そのひとつの取り組みとして、ハラスメントガイドラインにレイシャル・ハラスメントを追加することを提案したい。」
◇大学側からの回答
・「ガイドラインに項目を追加することは「負の効果」を生む可能性がある。ガイドラインを改定するのがいいのか、運用上の対応、広報レベルの取り組みでやっていくのがいいのか、議論する必要がある。」
◇組合からの指摘
・「運用上の対応では、問題が発生する可能性があり、それを防ぐための仕組みとしてガイドラインなどの存在が必要だ。」
◇大学側からの回答
・「検討する。」
◆3 「授業担当講師」制度導入の撤回要求――有期雇用問題への取り組み
 2016年度からは、新たに「非常勤講師」は雇用せず、新規に「授業担当講師」(1年契約・最大4回更新/5年になったら1年以上のクーリング期間を置く)として雇用し、徐々に前者と入れ替えていく方針が出されています。ユニオンぼちぼち(ならびに〈関西圏大学非常勤講師組合〉)は、この制度の導入は、【改正労働契約法への対応策として導き出された、無期転換権の可能性を奪う脱法的行為】であり、【大学における有期雇用を促進し、不安定雇用を蔓延させる、労働者使い捨て制度】であるとして、強く批判しています。
 大学側は「この制度は、十数年かけてずっと構想してきたものであり、改正労働契約法は関係ない」と主張しましたが、その後の議論のなかで、「改正労働契約法が通った現在、現行制度ではカリキュラム再編の際に非常勤講師を辞めさせにくい」、「改正労働契約法が通ったことが授業担当講師制度の導入のきっかけにはなった」といった趣旨の発言をしました。また、大学側は、導入の根拠として、
・専門科目の専任率
・カリキュラム再編の期間
を挙げましたが、いずれも合理的な理由にはなっていません。専門科目の専任率については、他大学も同様の条件下にあるにもかかわらず、授業担当講師のような制度を導入しようとしている大学は立命館大学だけです。また5年上限の理由として挙げられているカリキュラム再編の期間について、大学の担当者は「カリキュラム再編は慣例で4年に一度行なわれてきたが、2年ごとに見直すところもあれば6年に一度のところもあり、必ずしも4年に一度が合理的な期間だとは考えていない」と発言し、「それではカリキュラム再編の期間を5年上限の根拠にすることは妥当ではないですね?」と組合から問いかけたところ、特に否定はしませんでした。
 この問題に関しては、今後も、〈関西圏大学非常勤講師組合〉とも協調しつつ、導入撤回に向けた取り組みを進めていく予定です。
 なお、この交渉の席上、大学側から、「すでに労働者代表からは(この制度を導入することへの)同意を得ている」旨を伝えられました。これを受けてユニオンぼちぼちは、立命館大学衣笠キャンパスの労働者代表である山岡雅博さん(産業社会学部教授)に対して、「授業担当講師」制度に関する公開質問状を送付しました(2015年9月26日付)。
◆4 労働安全衛生法改定にともなうストレスチェック制度の適正な運用の要求
 ストレスチェックは、労働者のメンタルヘルス不調を、職場改善によって予防する仕組みです。労働安全衛生法改正によって、50人以上規模の事業所での実施が義務化されました。背景には、この間、厚生労働省が力を入れている過労死対策、パワハラ・セクハラ対策、メンタルヘルスの労災対策、長時間労働対策などがあります。しかし、この制度化に際しては、メンタルヘルスの不調者を顕在化させ選別する仕組みになる、と反対する声もありました。今回の団交では、この制度の趣旨は職場改善にあることを大学側と共有し、非正規労働者が不利益な扱いを受けないように要求しました。また、ストレスチェックの活用においては、安全衛生委員会(50人以上規模の事業所に設置が義務化されている)が重要な場になります。安全衛生委員会の構成方法についても、団交の場で確認しました。今後も、大学内での取り組みの状況を検証していきたいと思います。
以上です。
ユニオンぼちぼちは、今後も継続してこれらの問題の検証と、さらなる要求・提案を行なっていく予定です。

立命館大学衣笠キャンパス労働者代表に対する公開質問状

このたび、関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼちは、立命館大学衣笠キャンパスの労働者代表である山岡雅博さん(産業社会学部教授)に対して、「授業担当講師」制度に関する公開質問状を送付しました(2015年9月26日付)ので、お知らせいたします。
回答期限は2015年10月10日です。
回答結果については、改めてブログでお知らせいたします。

公開質問状

 去る2015年9月15日、私たち関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼちは、立命館大学と団体交渉を行ないました。その席で、大学側から、2016年度より導入が予定されている「授業担当講師」制度について、「すでに労働者代表からは(導入することへの)同意を得ている」旨を伝えられました。
 授業担当講師制度は、改正労働契約法への対応として、無期転換を避けるために5年上限を設定した、脱法的ともいえる非常に問題のある制度です(団体交渉で大学の担当者は、「改正労働契約法が通った現在、現行制度ではカリキュラム再編の際に非常勤講師を辞めさせにくい」、「改正労働契約法が通ったことが授業担当講師制度の導入のきっかけになった」といった趣旨の発言をしました)。
 この制度の導入により、新たにいわゆる「非常勤講師」的な立場で働くことになる人々の雇用は、必然的に不安定になります。大学側が導入の根拠としている、専門科目の専任率、カリキュラム再編の期間などは、合理的な理由にはなりえません(専門科目の専任率については、他大学も同様の条件下にあるにもかかわらず、授業担当講師のような制度を導入しようとしている大学は立命館大学だけです。また5年上限の理由として挙げられているカリキュラム再編の期間について、大学の担当者は「カリキュラム再編は慣例で4年に一度行なわれてきたが、2年ごとに見直すところもあれば6年に一度のところもあり、必ずしも4年に一度が合理的な期間だとは考えていない」と発言し、「それではカリキュラム再編の期間を5年上限の根拠にすることは妥当ではないですね?」と組合から問いかけたところ、特に否定はしませんでした)。
 こうした問題があるにもかかわらず、労働者代表がこの授業担当講師制度の導入に合意したことに、私たちは困惑しております。そこで、労働者代表としてのお考えを確認したく、公開質問をさせていただきます。

1.以下の質問にお答えください。
(1)現在の非常勤講師の雇用実態をどのように把握しておられますか。また、どのような問題点があると考えておられますか。
(2)授業担当講師制度(雇用期間を5年上限とし、再雇用に際してクーリング期間を設ける仕組み)導入のメリットとデメリットをどのように認識しておられますか。
(3)この制度の導入に関して、大学とどのような議論を交わされましたか。
(4)この制度の導入に合意した理由はなんですか。
(5)立命館大学には、すでに有期雇用の教職員が多く働いています。そもそも雇用期間の上限を設ける有期雇用について、どのようにお考えですか。
2.回答は、書面にて行ない、当組合事務所に送付してください。回答期日は、2015年10月10日とさせていただきます。回答内容は、当組合のブログ/Twitterで公開し、またキャンパス内の組合用掲示板に掲示します。回答のない場合も、その旨を公開し、掲示します。

以上

労働相談お休みのお知らせ

大阪の労働相談お休みのお知らせです。
9月21日(月)と10月12日(月)は休日のため電話での労働相談をお休みします。
●メールでの相談受付はこちらまで●
Mail: botiboti[at]rootless.org *[at]→@
●電話相談●
[京都]
毎週土曜日 13:00~18:00
Tel: 075-681-6904
[大阪]
毎週月曜日 15:00~20:00
 *休日は相談を休みます
Tel: 06-6647-8278
*大阪の電話相談は〈釜ヶ崎医療連絡会議〉の電話を借りています。
「ユニオンぼちぼちに相談です」「労働相談です」と言っていただければ、ぼちぼちの担当者に代わります。

8月学習会のお知らせです

●8月30日(日)
○13:00~14:30
第1部:「東九条マダンってどうやって楽しむ?――今年のマダンの見所は」

マダン実行委員会メンバーの宋基和(ソンキファ)さんによるお話
ユニオンぼちぼち京都事務所にて
(京都市南区東九条上霊御町64-1 アンビシャス梅垣ビル1階)
○15:00~18:30
第2部:場所を移してマダンセンターにて美術班(※1 下に説明があります)の作業の見学&体験

ユニオンぼちぼち京都事務所のある京都市南区東九条地域。
どんな地域か知っていますか?
京都事務所のある地域に住む人たちとの関わりを持ってゆこうという観点から、今年もぼちぼちとして東九条マダンに参加・協力をしたいと思っています。
東九条マダンって言葉は聞いたことあるけど、どんなお祭りかわからないから行きにくい、手伝うっていっても…という方もいるかと思います。そこで、今年は8月に東九条マダンの見どころを実行委員メンバーの宋基和(ソンキファ)さんにお話ししていただく機会を頂きました。ソンキファさんはマダンの実行委員メンバーでありますが、ユニオンらくだ(※2 下に説明があります)の組合員でもあります。マダンの話がひと段落したら、ユニオンの話も?
今回の学習会は二部構成でやります。前半の第一部では事務所でお話を聞いて、後半の第二部ではマダンセンターに移動して美術班の作業の見学と体験をさせてもらいます。どちらか一方の参加でも大歓迎です。
また、ぼちぼち組合員でなくても、興味がある方の参加も大歓迎です。暑い最中ですがお気軽にお誘い合わせてご参加下さい。

※1) 美術班
美術班ではマダンの当日に体験コーナーを設けて簡易のタル(仮面)づくりやハンジ(韓紙)細工をしています。会場の飾りつけや、マダン劇で使う小道具などの準備も美術班の分担です。今回お邪魔させていただく日には、会場の装飾や、体験コーナーの準備をする予定です。初心者でも大丈夫なので、お気軽にご参加下さい。
なおこちらの第2部で実際に作業を体験してみたい方は、汚れても構わない格好でご参加下さい。
※2) ユニオンらくだは京都市の非常勤嘱託職員の待遇改善に力を入れている組合です。もともとは正職員の組合で、今も正職員も在籍しています。

最後になりましたが、今年の東九条マダンは11月1日(日)、順延日が3日です。会場は元陶化小学校(九条竹田街道東入る、地下鉄九条駅の少し南)です。
マダン実行委員会の動きはホームページにアップされてゆきます。こちらもぜひ参考にどうぞ。

◆東九条マダンホームページ
http://www.h-madang.com/

8月15日京都の労働相談お休みのお知らせ

直前のお知らせとなりすみません。
8月15日の京都の労働相談はお休みします。
●メールでの相談受付はこちらまで●
Mail: botiboti[at]rootless.org *[at]→@
●電話相談●
[京都]
毎週土曜日 13:00~18:00
Tel: 075-681-6904
[大阪]
毎週月曜日 15:00~20:00
 *休日は相談を休みます
Tel: 06-6647-8278
*大阪の電話相談は〈釜ヶ崎医療連絡会議〉の電話を借りています。
「ユニオンぼちぼちに相談です」「労働相談です」と言っていただければ、ぼちぼちの担当者に代わります。

7月20日の労働相談はお休みします。

7月20日の大阪の労働相談はお休みします。
☆★相談無料 秘密厳守★☆
●メールでの相談受付●
Mail: botiboti[at]rootless.org *[at]→@
●電話相談●
[京都]
毎週土曜日 13:00~18:00
Tel: 075-681-6904
[大阪]
毎週月曜日 15:00~20:00
 *休日は相談を休みます
Tel: 06-6647-8278
*大阪の電話相談は〈釜ヶ崎医療連絡会議〉の電話を借りています。
「ユニオンぼちぼちに相談です」「労働相談です」と言っていただければ、ぼちぼちの担当者に代わります。

立命館大学からの「回答」について

遅くなりましたが、立命館大学からの「回答」に対する見解を掲載いたします。
なお、立命館大学の非常勤講師への待遇については関西圏大学非常勤講師組合による「立命館大学当局による非常勤講師の労働条件の不利益変更と「脱法行為」を許すな!!」もご一読下さい。

立命館大学からの「回答」について
2015年5月9日付で立命館大学総長宛に送付された「抗議および要求書」に対して、立命館大学衣笠キャンパス事務局長より同年5月25日付で「回答」がありました。その件に関する回答を執行委員会で議論し決定したので、ブログにて公表いたします。
「回答」において立命館大学は「学外者による宣伝活動については、基本的に認めてい」ないとし、妨害行為のあった4月24日の際は「本学の非常勤講師であるということは伝えられなかった」が故に、「今次の事態を招いた」としております。しかし、この点についてビラ配りをしていた者と事実認識において齟齬があります。また、再発防止策として「関連する職員に上記の宣伝活動についての考え方、教職員であることの確認を徹底すること」を挙げていますが、そもそもビラ配りを規制する根拠については触れておらず、回答としては不十分と言わざるをえません。
今回のビラ配り妨害のほか非常勤講師の待遇についてなど、立命館大学と交渉したい事項があるので、近日中に団体交渉の申し入れを行います。
以上